「FLIGHTS SCAN for Airpeak」サービス開始
ドローンによる現場のデジタル化事業を展開する株式会社FLIGHTS(峠下周平社長、東京都渋谷区)は、同社が提供する測量向けドローン搭載型LiDAR「FLIGHTS SCAN」において、ソニーグループ株式会社が提供するプロフェッショナル向けの日本製ドローン「Airpeak S1」への協業を開始した。Airpeak S1については、6月2日に国土交通省が航空法に基づく第二種型式認証申請を受理している。同省の無人航空機の第二種型式認証申請の受理はこれが2件目。
この協業によりLiDAR「FLIGHTS SCAN」をAirpeak S1に搭載した「FLIGHTS SCAN for Airpeak」として販売を開始し、国産ドローンによるドローン測量の一般化と、業務効率化の支援を促進する。ウェブと実演双方で無料セミナーを継続的に開催しているほか、6月26日から3日間、幕張メッセで開催される「Japan Drone 2023」のAirpeakのブース内にも展示する予定。
LiDAR「FLIGHTS SCAN」の主な特徴は3つで、①高性能のINS(慣性航法システム)を搭載することで国土地理院 公共測量における「作業規程の準則」の各種基準を満たす高い精度を実現したこと、②レーザー走査角標準値である±45度をクリアした360度全方位型のレーザーを搭載しており、急傾斜地でも姿勢や速度、相対位置を正確に算出し、高精度な測量を実現したこと、③生産性を最大化するスマートなオペレーションを実現したこと。飛行前の待機時間はわずか30秒で済み、累積誤差も少ないので長時間の計測も可能なほか、点群の生成や着色もワンクリックで完了するなど、高性能INSの搭載により、データ取得から解析まで簡潔なオペレーションで高い精度の成果品が作成できるようにしている。
慣性システムでは、20年以上の実績を持つ米Inertial Labs社との共同開発を行っていることから、高価格帯LiDARに比肩する性能を持つLiDARの低価格での提供を実現した。
また、繁忙期のユーザーなどから望まれてきたデータ解析代行サービスも6月7日に開始、LiDAR「FLIGHTS SCAN」で計測後の点群データ作成から解析、帳票作成まで、まとめての代行を可能するなど、体制を強化している。
「Airpeak S1」は、イメージング技術やセンシング技術を活用し、最高峰の価値創出に貢献することを目指して開発されたプロフェッショナル向けの日本製ドローン。映像制作向けの機体で、フルサイズミラーレス一眼カメラαを搭載できる機体として世界最小クラスを誇る。ソニーグループでは映像制作向けに開発・販売しているドローンを、正確な飛行と高精度な撮影の強みを生かし、測量など産業向けにも活用していくことを4月に発表しており、Airpeak S1へのアクセサリーの搭載もその一環。
ソニーグループ株式会社 事業開発プラットフォーム 技術開発部門長 荒井英明 氏のコメント
Airpeakは産業用途への拡大を目指して、2023年5月より産業向けのアクセサリー(RTKキット RTK-1、ジンバル GBL-PX1、バッテリーパック LBP-HM1)の提供を開始しました。今回、測量に深い知見をもつFLIGHTS社との連携により、多くのお客様にLiDAR測量を活用していただくことを大いに期待しています。今後も産業用途への取り組みを進め、業務効率化への貢献を目指します。
株式会社FLIGHTS 執行役員 加塩 博士氏 のコメント
Airpeak S1は飛行性能や操作性において、大変すばらしい性能を持つドローンですが、「映像撮影などの用途」に特化しており、弊社の主要事業の一つである「測量/計測用途」におけるドローンという点ではやはり異なる領域の商品という認識がございました。
ですが、今回の連携を通して詳細の飛行検証を行っていく中で、Airpeakのより幅広い産業用機体としての可能性を実感しています。
先日、第二種型式認証が受理されたことや、今回の連携を機に、土木建設/測量業界の皆様にも大変使いやすい商品としてぜひ手に取っていただければ幸いです。ソニー社のドローン技術と、弊社のLiDAR技術をかけ合わせることで、ユーザーの皆様の業務効率化に貢献できることを大変期待しております。