日本でBIMの導入が進まない理由
BIM(Building Information Modeling)の研究・人材育成・普及に取り組む(一社)日本BIM協会(崔峰云代表)は、10月6日から新たなBIM資格制度「BIMエンジニアライセンス」の申込受付を開始した。
同協会は、Revit /Archicad /Gloobeといった様々なBIMソフトの境界を超え、ソフトのテクニック向上に留まらずBIM技術の向上を追求することを目的に2021年に設立。BIMを日本でさらに広げるため、BIMに関する研究や情報交流・企業のBIM導入サポートやコンサルティング事業などを積極的に行っている。
同協会では、日本国内においてBIMの導入が進まない原因について、
- BIMの概念に対する理解度が低い
- 作成方法や考え方の個人差が大きい
- 人材育成の方法が会社ごとにバラバラ
- 人材採用において、技術レベルの不確定性がある
- 個人のBIM制作技術レベルを定義する指標がない
と捉え、これらの課題を解決するための一つの方策として、BIMの民間資格「BIMエンジニアライセンス」を展開するに至った。
BIMエンジニアライセンスとは?
同協会では、BIMの概念を正確に理解しており、BIM制作ソフトを用いてBIMモデルを作成し、さらにそれらをIFCモデルや設計図書としてアウトプットする能力を持っている者のことを「BIMエンジニア」と定義している。
現状では、BIMの能力を証明する試験は各ソフトメーカーが主催している認定試験が主で、これらはあくまでそのソフトに対する熟練度を測るものに過ぎない。同協会では、各種ソフト間の壁をなくした、BIMの本来あるべき姿に対する理解度を評価する「BIM総合能力」を証明するシステムが必要になるとしている。
「BIMエンジニアライセンス」は、等級別試験によって能力を測り、一定水準以上の能力が認められた者に各等級の資格を授与し、その者の能力レベルを証明する認証システムだ。
さらに、同認証によって、BIMの本来あるべき姿をよく理解することになり、適切なモデルに適当な情報を入力することやIFCを用いてBIMモデルの共有を行うことなどの知識が浸透し、従業員間・企業間のBIMでのやり取りがよりスムーズに、より効率的になることも期待される。
「BIMエンジニアライセンス」試験の概要
BIMエンジニアライセンスは、3つの等級で構成される。等級の低いほうから順に、「BIMクリエイター」「BIMエキスパート」「BIMマスター」となっている(BIMエキスパートとBIMマスターは計画段階)。それぞれの試験の概要は、以下の通り。いずれも、すべてオンラインで完結できるVTEXというプラットフォーム上で行われる。
BIMクリエイター
- 試験内容:実施設計S3レベル(LOD300程度)のBIMモデル作成能力ならびにそれらをIFCや基本設計図書としてアウトプットする能力を測る試験
- 受験条件: BIM及びBIMエンジニアライセンスの目的や価値をよく理解している者(実務経験や学習時間は問わない)
- 試験時間:学科試験(30分)・実技試験(120分)
- 採点比重:学科試験(30%)・実技試験(70%)
- 合格基準:100点のうち80点以上
- 受験回数:一度の申し込みにつき、2回まで受験可能
- 受験料:15,000円(税抜)
- 学習方法:BIMクリエイター講習会を聴講し、十分に理解したうえで受験することを推奨
【計画中】BIMエキスパート A・S・MEP
- 試験内容:実施設計S4レベル(LOD300程度)のBIMモデル作成能力ならびにそれらをIFCや実施設計図書としてアウトプットする能力を測り、さらに、意匠(A)・構造(S)・設備(MEP)の一般的法規、各部の納まりや構法を理解し、それらをBIMモデルや図面で表現する能力を測る試験
- 受験条件: BIMクリエイターの資格を保有している、もしくはそれと同等のスキルがあり、BIMを用いて業務を行っている企業にて実務経験が2年以上ある者
- 試験時間:学科試験(30分)・実技試験(120分)
- 採点比重:学科試験(15%)・実技試験(85%)
- 合格基準:100点のうち80点以上
- 受験回数:一度の申し込みにつき、2回まで受験可能
- 受験料:30,000円(税抜)
- 学習方法:BIMエキスパート講習会を聴講し、十分に理解したうえで受験することを推奨
【計画中】BIMマスター A・S・MEP(条件付き自動授与)
- 授与条件:BIMエキスパートの有資格者であり、かつ一級建築士・建築設備士のどちらかの資格を保有している者。さらに、日本BIM協会の一般個人会員であることが条件。
2023年度第1回 BIMクリエイター試験については、現在申込受付中となっている。
申込期間は2023年10月6日~11月30日。試験日は学科試験が2024年1月9日~2月17日(期間中で2回受験可能)。実技試験が第1回が2024年1月9日~1月15日。第2回が2024年2月11日~2月17日。
詳細は日本BIM協会 BIMエンジニアライセンスのサイトを参照。
この資格はどれぐらいの認知度があるのか気になります。
この資格を持っているとどれぐらい就職、収入に有利になるんですか?
世海、または日本での認知度はどれぐらいなんでしょう?
自分の認識不足かもしれませんが正直胡散臭いんですが…。
この手の資格?や各種特別教育など全く賃金の上がらない状況なのに天下り団体やおかしな団体が出来て利権を貪る、いい加減にしてほしい