想像力を働かせながら仕事をするのが面白い
トンネルは、掘削工事が最初にして最大の難関ではないだろうか。その理由は、地質が日々変わるため、変化する地質に応じて掘削をしていく必要があるからだ。
数メートル進んで支保パターンが変わり、また数メートル進んで支保パターンが変わるということもある。切羽が自立しないようなところでは、切羽崩壊に備え、コンクリートを吹き付けて補強することもある。
安全かつ確実に施工するためには、想像力を働かせることが求められる。予め用意されている地質調査結果を踏まえ、この先にどんなリスクがあるのか、支保パターンをどう変えればいいか、予期せぬトラブルが発生したらどう対応するか、といったことを考えながら掘削を進めていく必要がある。
かなり大変であることは間違いないが、これはこれで面白い。想像力を働かせながら、こうしようああしようとイメージして仕事を進めていく。そして、その通りとはいかなくても、何か起これば対応する心構えができているので、こういう方法はどうだろうかといった提案が出てきやすい。
こういうところにトンネル工事の面白さを感じる方も少なくないだろう。想像力を働かせながら仕事をするのは、慣れてくると面白いものだ。