お客様は神様か?
設計者やゼネコン施工管理者として、施主の話に何度も耳を傾け、施主が言葉で表現しきれない想いや気持ちを精一杯汲み取り、満足いくような提案を繰り返す。それこそがプロの仕事だ。
施主がお金を払って建築するのだから、客の意向は無視できない。これは当然のことだ。ただ、いくら客と言えども、建築に関しては所詮素人だ。
プロとしての自信がない人や組織ほど、「お客様は神様です!」と言わんばかりに、なんでもかんでもハイ!ハイ!と二つ返事で首を縦に振り、施主の言いなりになる。
それは客を大切にしているからではなく、後で施主からなにか言われたとしても「お客様の意向に従っただけ。こっちの責任ではない」と責任逃れするための布石に過ぎない。
このような無責任な設計者やゼネコンは日本にもたくさんあるが、私がいた海外の建築現場でも同じ経験をしたことがある。