若手土木技術者のリアルな仕事観
土佐国道事務所が進める高規格道路「8の字ネットワーク」の一区間を占める南国安芸道路(芸西西IC~安芸西IC仮称、延長8.5km)のうち、「令和5年度 南国安芸道路赤野東改良第4工事」を担当するミタニ建設工業の現場代理人である松村裕清さんに取材する機会を得た。
松村さんは入社8年目で、現場代理人は今回の現場が3回目。例によって、入社理由や日々の仕事ぶりなどについて、一通りお話を聞いたわけだが、最近の取材では珍しく、かなり率直な話が聞けた。
【PR】なぜ施工管理技士の資格は「転職=給与アップ」に有利なのか?
地元では大きな会社だったので、なんとなく入社
――ミタニ建設工業に入社した理由はなんですか?
松村さん 兄が建設会社で働いていたので、高校で土木を学んでいました。土木の仕事をやりたいと言うより、ほかにやりたいことがなかったので、そうなったという感じでした。ミタニ建設工業に入社したのも、地元では大きな建設会社だったので、なんとなく入社したという感じです(笑)。
――入社後はどのようなお仕事をしてきましたか?
松村さん 最初の現場は海岸堤防工事でしたが、その後は高規格道路の現場が続きました。橋脚工事であったり、橋台、カルバートボックスといったことをやりました。ここ2現場ぐらいは改良工事をやっています。国発注の現場ばかりですね。県や市の現場はやったことがないです。
――仕事の内容はどうでしたか?
松村さん 最初は安全管理を中心にやりました。その後、写真管理なども任されるようになって、次に品質管理なんかもやるようになりました。今の現場ではその全部をやっているという感じです。
思ったより進まないので、工期的にはキビしい

タブレットでなにやら確認する松村さん(本人提供)
――今の現場はどうですか?
松村さん 2023年9月に現場代理人として入りました。現場代理人として入るのは、今回が3回目です。この現場では、高規格道路を通すため、山を掘削しています。あと、橋台を1基つくることになっています。進捗的には20%ほどなので、まだ始まったばかりです。
――工程管理上気をつけていることはありますか?
松村さん 一番は、作業員さんがやりやすいようにすること、手戻りや手待ちができるだけないようにすることです。
――ICT施工はやっていますか?
松村さん 一応やっています。3Dデータを取って、その座標軸をもとに切土しています。ただ、雨が降ったり、天気が悪いと精度に誤差が出ることがあるので、そのときは丁張りをかけています。
――ICTでやると、効率は向上しますか?
松村さん 準備に時間がかかりますけど、作業の手間を考えたら、ラクだと感じています。
――住民対応はどうですか?
松村さん これまでのところは、地元からの苦情とかはないんですけど、現場につながる道の上に畑やハウスがあって、地元の人たちもクルマで通ったりするので、今後なにかあったら、ちゃんと対応しなければいけないと思っています。
――工期的にはどうですか?
松村さん けっこうキビしいです。思っていたより進んでいません(笑)。どの現場でも工程表通り進んでいくことはあまりないように思います。なので、工程表通りに進むようにいろいろ工夫していかなくてはいけないですね。