一人で持ち運びできるレーザスキャナなどを導入
――ほかに、この現場ならではということはありますか?
石塚さん BIM/CIMやCM方式といった試行的と言うか、先行的な取り組みが入っているところだと思います。
――さきほど4D検証のお話がありましたが、そのほかにデジタル技術関連の取り組みがあれば、教えてください。
石塚さん 河床掘削、浚渫については、マシンガイダンスを活用したICT施工でやっています。マルチビームを搭載したラジコンボートで測量するカタチです。あとは、既存の管理橋の桁下で施工するに当たって、安全性と施工性を高めるために、独自で点群データを取り、施工機械の揚程や鋼管矢板の割付といった検討に役立てました。五洋建設が新たに開発した、人一人で持ち運びできるようにユニット化したレーザスキャナを使いました。
安全教育にVR、ARを活用
――働き方改革への対応はどうですか?
石塚さん 正直に言って、対応に苦慮しているところです(笑)。
――この現場の人数は何名ですか。
石塚さん 社員だけだと、繁忙期で10名〜12名ほどです。協力会社さんなども含めると、最大60名ぐらいです。四苦八苦しながら取り組んでいます(笑)。
――安念衛生管理についてはどうですか。
石塚さん たとえば、CIMデータを使って、現場に入る前に、VRで安全教育をしています。あとはARも使っています。閘門ができ上がった状態のARをつくって、iPadで確認できるようにしています。安全衛生ではないかもしれませんが、作業員さんにこの事業の社会的役割を理解してもらうため、現場に入る前に見てもらうようにしています。
ずっと緊張の糸を張り続けるのは不可能
――完成に向けてコメントをお願いします。
石塚さん 固定堰という一つのヤマ場は超えましたが、上下流の導水路というさらに大きなヤマ場が控えています。引き続き常に気を引き締めながら、これらに当たっていきたいと思っています。
その一方で、ずっと緊張の糸を張り続けるのは不可能なことなので、しっかり休みを取って気持ちを切り替えることが必要です。会社のバックアップを受けながら、現場の方々とコミュニケーションをとって、引き続きちゃんと休みが取れるようマネジメントしていく考えです。
監理技術者というポストで仕事のモチベーションがアップ
――ところで、石塚さんは入社何年目ですか。
石塚さん 10年目です。
――10年目で監理技術者とは早いですね。
石塚さん 私より少し上の世代の技術者が少ないので、回ってきたのかもしれませんが(笑)、この年齢で監理技術者というポストを任せられたのは、チャンスを与えられたことだと解釈しています。成果に対してしっかりと評価してもらえていることが、仕事のモチベーションになっています。
――五洋建設という会社の魅力について、どうお考えですか。
石塚さん 技術者としての成長を考えてくれる会社だと思っています。私は、この現場に来る前は技術研究所にいて、その前は東北の震災復興の現場にいました。東北の復興の現場は、私が希望して配属してもらいました。技術研究所についても、技術的なものを身につけたいという私の希望を叶えてもらいました。
今の現場への配属も、私が手を挙げた結果、配属してもらっています。この現場では、東北の現場や技術研究所で経験したことが、非常に役に立っていると実感しています。
建設会社では、ずっと施工、ずっと開発など同じ部署にとどまることが多いと思いますが、五洋建設はそうではなく、技術者として、本人が希望すれば、いろいろな経験を積ませてもらえる会社です。私が五洋建設に入社したのも、そういう会社だと聞いたからです。
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