施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

【砂防職の魅力を探るvol.3】国土交通省入省3年目 土谷麻菜さんのケース

  • インタビュー
  • キャリアを考える
四国の犬
公開日:2024.06.03
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 コメント
  • メールで共有
土谷 麻菜さん 大阪府都市整備部富田林土木事務所 建設課河川砂防グループ技師(出向中、写真本人提供)

土谷 麻菜さん 大阪府都市整備部富田林土木事務所 建設課河川砂防グループ技師(出向中、写真本人提供)

目次
  1. 仕事のイメージがしやすかったので、砂防を選んだ
  2. 桜島の土石流のメカニズム解析の研究に従事する
  3. 「国交省で働く?うん、アリだな」
  4. 女性砂防職が少ないから、あえて受けるという戦略
  5. 道路と砂防はおもしろさのジャンルが違う
  6. ハードソフトの区別なく、砂防全般の仕事に携わる
  7. 初めての現場監督で緊張の毎日を送る
  8. 砂防職は「土砂災害から人々を守る先端の場」

国土交通省には、砂防職という専門職のワクがある。現役の砂防職職員数は100人(2024年4月1日時点)、省全体職員数のうち0.25%と、数の上では少数派だが、専門技術者集団として、独自の勢力を保っている。

今回、砂防職採用の若手(20才代)職員の方々に取材する機会を得た。なぜ砂防という道を選んだのか、砂防職の仕事はどのようなものか、砂防の魅力はなにかといったことについて、率直なところを聞いてみた。

第3弾として、入省3年目で、大阪府庁に出向中の土谷麻菜さんを取り上げる。

第2弾はコチラ:【砂防職の魅力を探るvol.2】国土交通省入省3年目 小林正直さんのケース

仕事のイメージがしやすかったので、砂防を選んだ

――砂防との出会いについて教えてください。

土谷さん 私は九州大学農学部で森林を学んでいたのですが、研究室を選ぶ際に、砂防研究室があり、そこで砂防を知りました。それが砂防との出会いです。なので、砂防との出会いにとくにドラマチックなことはなく、たまたまです(笑)。

――森林を学びたいということで大学に入ったのですか?

土谷さん そうですね。ふんわりと「森、いいな」という感じで入学しました。私は滋賀出身なのですが、週末は両親と一緒に岐阜や長野などに行って、山登りと言うか、ハイキングをしていました。そういうこともあって、なんとなく森林に興味があったんです。

実際に森林を学んでみると、周りに私よりもっと森林が好きな人、もっと詳しい人がいたんです。それで、「私はそこまでじゃないな」と思ったというか。レジャーとしての森林は好きだけど、研究対象にするのは違うなと。それで、砂防研究室を選びました。

――「森林より砂防だな」と思ったということですか?

土谷さん 森林の研究をするより、砂防の研究をするほうが、私としては「より人の生活に近くて、実用的かな」と思ったからです。「砂防=土砂災害を防ぐ」という感じで、砂防の必要性をイメージしやすかったということです。そして、「今後仕事としても砂防を続けていけるんじゃないか」とも思いました。

――砂防についてある程度調べた上で、研究室を選んだということですか?

土谷さん 調べたというよりは、土木系ということで、実社会につながっていて、仕事のイメージがしやすかったので、選んだという感じでした。研究室を選ぶ前に各研究室の紹介があり、研究がどのように社会とつながっているかということを知り、大切な分野だと思いました。

桜島の土石流のメカニズム解析の研究に従事する

――砂防研究室ではどのような研究をしましたか?

土谷さん 鹿児島にある桜島の土石流に関する研究をしました。火山灰が混じった土石流は、ふつうの砂礫とは違った動きをするので、そのメカニズムを解析する研究をしていました。

――その研究テーマを選んだ理由はあったのですか?

土谷さん 土石流の動きのメカニズムがおもしろいと思ったのもありますが、正直に言うと、研究室の先生からテーマを与えられたからです(笑)。先生はもともと国交省の職員だったので、このテーマを与えられたという経緯もありました。

「国交省で働く?うん、アリだな」

――就活はどんな感じでしたか?

土谷さん 先生から「国交省を受けてみたら?」とアドバイスをいただきました。「アリだな」と思ったので、とりあえず受けてみることにしました。なんだか、研究室や研究テーマ選びから就活まで、あんまり「これだ!」という意気込みがないようで、ちょっと恥ずかしいですね(笑)。

修士1年生のときに筆記試験を受けて、一応合格したのですが、そのときはそれ以上活動しませんでした。修士2年生になってから、あらためて砂防部の官庁訪問を受けました。官庁訪問と言っても、当時はコロナ禍で、リモートでの面接でした。すでに筆記試験に受かっていたので、早めに面接して、内定をいただきました。

建設コンサルタントも受けていましたが、第一志望はあくまで国交省でした。

女性砂防職が少ないから、あえて受けるという戦略

――リモート面接はどうでしたか?

土谷さん 30分くらいの面接を2回受けました。面接官と時間をかけてなにか議論するとかはなく、事前に提出した書類に沿って話をしました。

――WEBで完結した感じですか?

土谷さん そうですね。一瞬で終わりました(笑)。コロナ禍の特殊な経験ですね。

――女性の先輩職員がいるのかとかは気になりませんでしたか?

土谷さん 女性の数の多寡は就職先を選ぶ条件にはしていませんでしたが、気になったので、国交省のHPを調べました。採用実績数の後ろに()で一桁とか小さい数字が書いてあって、それが女性の数なんです。すごく少なくて、「じゃあ私がこの()の数字を増やしてやろう!」という感じでした(笑)。ゆくゆくは()表記じゃなくなるといいですね。

――ところで、地方自治体は考えなかったのですか?

土谷さん 考えませんでした。どこか特定の県や市町で働きたいというのがなかったのと、「砂防職」があるのは国だけで、「砂防なら国でしょ」という気持ちがあったからです。実際は、砂防の仕事は地方自治体にたくさんあるのですが。

――国交省でなにをしたいというのはありましたか?

土谷さん 具体的なものはとくにありませんでしたが、砂防の仕事、土砂災害対策という仕事は、これからもずっと必要とされるだろうから、そういう仕事に関わっていきたいという思いはありました。

次のページ道路と砂防はおもしろさのジャンルが違う

12»
  • この記事をシェアする0
  • この記事をツイートする0
この記事のコメントを見る0
こちらも合わせてどうぞ!
【砂防職の魅力を探るvol.1】国土交通省入省5年目 北本楽さんのケース
【砂防職の魅力を探るvol.1】国土交通省入省5年目 北本楽さんのケース
国土交通省には、砂防職という専門職のワクがある。現役の砂防職職員数は100人(2024年4月1日時点)、省全体職員数のうち0.25%と、数の上では少数派だが、専門技術者集団として、独自の勢力を保っている。 今回、砂防職採...
【砂防職の魅力を探るvol.2】国土交通省入省3年目 小林正直さんのケース
【砂防職の魅力を探るvol.2】国土交通省入省3年目 小林正直さんのケース
国土交通省には、砂防職という専門職のワクがある。現役の砂防職職員数は100人(2024年4月1日時点)、省全体職員数のうち0.25%と、数の上では少数派だが、専門技術者集団として、独自の勢力を保っている。 今回、砂防職採...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...
「砂防」にドハマりして国交省に入った”風変わりな女性キャリア官僚”
「砂防」にドハマりして国交省に入った”風変わりな女性キャリア官僚”
「砂防をやるため」に国交省に入省した、現役女性キャリア官僚 「砂防に特化した仕事に就きたい」の一心で、「砂防職」として国土交通省に入省した風変わりな女性キャリア官僚がいる。 佐々木美紀さんは、大学で砂防を学んだことがきっ...

この記事を書いた人

四国の犬
この著者の他の記事を見る
基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
【砂防職の魅力を探るvol.3】国土交通省入省3年目 土谷麻菜さんのケース 【砂防職の魅力を探るvol.3】国土交通省入省3年目 土谷麻菜さんのケース

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • 【砂防職の魅力を探るvol.3】国土交通省入省3年目 土谷麻菜さんのケース
  • 施工の神様
  • キャリアを考える
  • 【砂防職の魅力を探るvol.3】国土交通省入省3年目 土谷麻菜さんのケース

コメント(0)

コメントフォームへ

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様