やる気を削ぐ現場管理者
その後も打ち合わせはほとんどが担当者抜きで、職長と所長で直接行われるようになり、工程や資材の手配なども全部2人が決めていった。所長は、日中ほとんどその下請け業者の作業場で過ごし、事務所を不在にすることも多かった。
私からすれば、所長がいないのは気楽で助かっていたが、全体を均等に面倒を見るべき立場の人間が、あからさまに1つの業者にだけにつきっきりで、色々便宜を図るのはいかがなものか?所長の態度は変じゃない?と他の下請け業者同様、腑に落ちない日々が続いた。
全員が一丸となって進めるべき工事現場で、こんなくだらないことで腰が折られるのは残念でしかない。誰に対しても不公平は絶対にダメだ。これは現場管理の基本中の基本で、建設業以外のどんな仕事においても至極当然のことだ。
先入観を持たない
現場を管理する人間として「公平」を念頭に置いた時、忘れてはいけないことがある。それは、「先入観を持たない」ことだ。
世の中には色々な人がいる。人間はとかく見た目の印象から先入観を持ってしまいやすい。特に建設現場では、服装や髪型、言葉遣い、態度など、あらぬ先入観を持ってしまいがちだ。
作業員の人数が少なければ、一人一人の年齢や経験、知識、理解度に応じて対応できるが、多くの作業員が従事する現場では、個人に合わせて話をするのは難しく、どうしても皆に対して一律の接し方になってしまう。
そんな時でも、可能な限り一人一人の作業員に話しかけるつもりで、指示指導を行おうという心構えだけは、忘れてはいけない。
作業員の人たちは、自分がどう思われているか、どう扱われるかに対して非常に敏感だ。様々な場面で偏見を持たれたり、勘違いされた経験をしてきているからだろう。だからこそ、一方的な先入観から決めつけて話をしないよう、警戒しなくてはいけない。
偏見や先入観抜きに皆を公平に扱い、ブレない指示を出してこそ、信頼され、指示や無理なお願いも聞き入れてもらえるようになる。特定の会社だけをひいきすることなく平等に接し、平等に褒めるべきだ。
もし褒めるところが見つからない場合は、私は自分から「こうしてくれ!」と注文を出すようにしている。それを実行してもらい、翌日の朝礼で良好事例として話をするわけだ。ややインチキ臭いが、そんなことをきっかけにして、仕事に前向きに取り組んでもらえるようになれば、それでいいと思っている。
私の経験上、見た目の印象と実際に話してみて感じる印象とでは、相反することが多い。一見、近寄りがたい怖い印象の人のほうが、芯が通っていてまともな人が多いように思う。不公平感を持たれるような接し方や態度は、結局は自分の首を絞めることになる。
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