社長の願い
社長の狙いは、自分の専門分野だけでなく、普段協力して建築を造っていく他部門の人と交流し、安全に関する共通認識を高めよう!ということらしい。
もちろん、安全の土台の上に品質の高い建築を造り上げることが最終目標で、その間に様々な人が関わってくる。特に建築図、施工図、現場施工管理が一体となってることが大切で、互いに文句を言うだけでなく、どうしたらもっと良くなるかを話し合い、三者共通の安全認識を持ってもらい、それをきっかけに交流を計り、意見交換ができるような組織にしていくことが会社の狙いだ!と説明された。
建築図は一番基本になる図面で、施工図も現場の施工管理も全て建築図が基になっている。建築図を基に施工図が描かれ、その施工図を基に現場が進められる。当たり前だが、この三者間の連携が上手くいかないと、最終的には現場が納まらず、詳細部の粗をカバーできずに不出来になってしまう。
客先との打ち合わせ結果から設計が建築図を作成し、全てがそこから始まるわけで、一番最初のボタンの掛け違いは後になるほど修正が難しくなる。現実的には、現場が最後に全ての尻拭いをしなくてはならなくなる。なんとか最終形までたどり着くためには、現場の協力なしには成り立たない。
そんな起こりがちな事情を関係者全員に分かってもらい、せめて設計・施工図・現場と工事の中心が移って行く際に、解決できなかった問題点の伝達やまだ改善の余地のある場所、客との打ち合わせが難航し変更の可能性がある場所の情報を、設計から施工図担当、現場へとしっかり伝えていくことがいかに大切かを、話し合いの中から身に付けて欲しい!と言うのが会社の方針で、社長の願いらしい。
挑戦し続けるゼネコンに評価を
こんなに素晴らしい取り組みだが、社内では反対意見もあるようだ。現場が佳境の時に抜けられたら困る!施工図を仕上げなきゃいけないので人は出せない!など、社内での調整がその都度必要で、安全専属の人間を決めてその人たちに全て任せたほうがいい!という意見もあるそうだ。
確かに社内での調整などは大変だが、中心となる安全を仕切る人だけが関わっていては、安全意識も社員全員に浸透していかない。だから面倒でも、安全以外の人間にも関わってもらっているのが現状だろう。
失敗も批判も色々あるようだが、安全衛生協議会を通じて専門外の人間と他部門の人間とを交流させ、安全第一と言える現場を目指し、結果その意識が品質の確保に繋がっていく考え方は決して間違っていない!
その現場以降、そのゼネコンと一緒に仕事をしたことはないが、新たな試みに挑戦し続けているゼネコンこそ評価される建築業界になって欲しい!と思うのは、私だけではあるまい。
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