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国交省海岸室配属になったからには、海のことを知るために「サーフィンを始めよう」と画策している井上剛介さん

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四国の犬
公開日:2025.03.24
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井上 剛介さん 国土交通省水管理・国土保全局 海岸室 企画専門官

井上 剛介さん 国土交通省水管理・国土保全局 海岸室 企画専門官

目次
  1. 海岸室は、おもしろくて、特殊なセクション
  2. 出張の機会があれば、必ず手を挙げるようにしている(笑)
  3. 権限代行による能登半島地震復旧事業の調整役を担当
  4. 2026年の本格的な台風期までに本復旧工事完了を目指す
  5. 砂の動きや波のメカニズムなど不確定な要素が多い
  6. 「井上さんもサーフィンやりなよ」

先日、国土交通省海岸室長の室永武司さんの記事を出したところだが、「海岸室の若手職員にもインタビューしたい」とお願いしてあった。「イキの良い九州男児がいますよ」と、ご紹介いただけることになっていたのだが、誰かは知らされていなかった。

いざフタを開けてみると、以前「アツい男」として記事にした井上剛介さんその人であった。

「こんなこともあるんだな」と思いながらも、「これも縁だな」と思い直して、国土交通省海岸室で企画専門官となった井上さんに、海岸室の仕事のやりがいなどについて、再びアツく語ってもらった。

海岸室は、おもしろくて、特殊なセクション

井上さん

――海岸室に異動になったのはいつですか?

井上さん 2024年4月です。

――企画専門官とはどういう役職ですか?

井上さん 仕事の内容としては、課長補佐と同じような立場です。海岸室長がいて、海洋開発企画官がいて、その下のポジションで、総務(法規)、企画、事業、管理の4つのラインのうち、企画ラインを担当しています。企画ラインでは、海岸行政に関する企画立案や、室内全体のとりまとめの仕事などをやっています。

――海岸室は初めてだと思いますが、どうですか?

井上さん はい、海岸室は今回が初めてです。海岸室は、企画立案、計画論、リスク情報、事業、管理、環境・利用、防災対応、法規など、海岸行政に関するすべてのことを一つの室で所管しているので、おもしろいセクションだなと思っています。

その一方で、昔で言う海岸4省庁、旧建設省、旧運輸省、農林水産省、水産庁の連携を常に取りながら、物事を進めていく必要があります。たとえば、気候変動への対応は、旧4省庁が連携して検討会を開催し、都道府県への通知などを行っています。そういう意味でも、特殊なセクションだと思っています。他省庁の違う文化に触れる機会があるので、それはそれでおもしろいですね。

――数年ぶりの本省勤務はどうですか?

井上さん 次は本省勤務と聞いたときは、「あ~、あの職場だよな」と思いました(笑)。実際に戻ってみると、以前勤務したときと比べ、働き方がだいぶ変わっていました。たとえば、メールやチャット、WEB会議といったツールを駆使して、上司の決裁を早く取れるようになっています。もちろん、能登半島地震の復旧の関係とか、短期的にドタバタすることはありますが、残業時間は、以前とはダン違いに少なくなってると感じています。

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出張の機会があれば、必ず手を挙げるようにしている(笑)

福岡のシンポジウムの集合写真(井上さん写真提供)

福岡のシンポジウムの集合写真(井上さん写真提供)

――前回お話を聞いた際のパターンでいくと、やはり全国各地の直轄事業などを回っていたりするのですか?(笑)

井上さん (笑)。まだ1年経っていませんが、直轄事業に関しては、これまでのところ、宮城、新潟、静岡の3つを回っています。直轄以外だと、権限代行事業を行っている能登半島や石川、秋田、福岡などに行きました。だいたい2ヶ月に1回ペースで、直轄や都道府県の現場を見て回っています。

――あ、やっぱり回ろうとしているんですね(笑)。

井上さん そうですね。出張の機会があれば、必ず手を挙げるようにしています(笑)。

――講演で福岡に行ったそうですね。

井上さん 九州大学主催のシンポジウムに行きました。福岡県が管理する糸島にある海岸の砂浜が年々なくなっているということで、行政としてどう対応するのかなどについて、お話ししました。このシンポジウムには、日ごろから海岸を利用している地域の方々も参加していて、スゴく日に焼けたサーファーの方もいらっしゃいました。ふだんはスーツを着た方々向けの講演が多いので、そういった方々とお話ししたのがスゴく新鮮で、楽しかったし、いろいろな発見がありました。

侵食の影響を受けている福岡・糸島の海岸(井上さん写真提供)

侵食の影響を受けている福岡・糸島の海岸(井上さん写真提供)

権限代行による能登半島地震復旧事業の調整役を担当

護岸の倒壊(井上さん写真提供)

護岸の倒壊(井上さん写真提供)

――担当している主なお仕事はなんですか?

井上さん 私の主な仕事としては、能登半島地震を踏まえた海岸堤防の復旧と、気候変動を踏まえた海岸保全への転換があります。

令和6年の能登半島地震では、珠洲市周辺で浸水深4mほどの津波が発生し、広域にわたる浸水被害が発生しました。海岸管理者である石川県からの要請を踏まえて、大規模災害からの復興に関する法律に基づく権限代行により、現在国が海岸堤防の復旧工事を行っているところです。工事対象となる区間延長は約10kmとなっています。今回被災した場所には、水管理・国土保全局や港湾局、水産庁が所管する海岸も含まれているので、それぞれの省庁をはじめ、石川県や自治体などと調整しながら、工事を進めていく必要があります。

私はまさに、この全体調整の仕事をしています。

私が担当になったときは、被災から3ヶ月ほど経っていましたが、まだ本格復旧に向けたメドが立っていない状態でした。地震や津波で被害を受けた海岸堤防は土のうなどを使って応急復旧を進め、それと平行して本復旧に向けた準備を進めました。

本復旧に際しては、珠洲市の復興まちづくりと地域の方々の思いに寄り添いながら検討することが重要だと考え、珠洲市や地域の方々と意見交換しながら、復旧復興に向けた方針整理を進めてきました。その上で、2024年11月から、市や地元との調整が整った上戸地区において海岸堤防の本復旧に着手しています。

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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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