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なぜ不動産投資会社が自ら「つくる」のか。”ゼネコン機能の内製化”の裏にある、一人の熟練現場監督の情熱

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長井 雄一朗
公開日:2026.03.04
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ゼネコンやハウスメーカーでの長年の現場経験を経て、ベルテックスで現場を率いる高橋光輝氏

ゼネコンやハウスメーカーでの長年の現場経験を経て、ベルテックスで現場を率いる高橋光輝氏

目次
  1. ゼネコン時代の確かな経験が、不動産会社の内製化を支える
  2. 旧知の協力会社と共に踏み出した、内製化への第一歩
  3. 内製化率100%を目指し、施工体制のさらなる充実へ
  4. どれだけ機械化が進んでも、最後は「目視」が基本

投資用マンションの企画・開発から賃貸仲介・管理までをワンストップで手がける総合不動産会社の株式会社ベルテックス(梶尾祐司社長)が今、業界でも異例の「ゼネコン機能の内製化」を加速させている。

その狙いは、ゼネコンの利益相当分の中間マージンの圧縮だけでなく、自社施工だからこそ実現できる「妥協なき品質」の追求にある。その鍵を握るのが、ゼネコンやハウスメーカーの現場監督として30年以上キャリアを持ち、同社品質管理本部建築部建築課の部長代理として現場を率いる高橋光輝氏だ。

なぜ不動産会社が自ら「つくる」ことにこだわるのか。ゼネコンやハウスメーカーの現場監督として30年以上キャリアを積んできたベテラン技術者の高橋氏に、不動産会社が施工を内製化する意義とこれまでの取組みについて話を聞いた。

ゼネコン時代の確かな経験が、不動産会社の内製化を支える

――まず、ベルテックスの事業概要についてお聞かせください。

高橋光輝氏(以下、高橋氏) べルテックスは、不動産コンサルティングから土地・物件の売買、自社ブランド開発、賃貸管理までを垂直統合で提供する総合不動産会社です。現在は東京23区を中心に、1K・1DK・1LDKの新築・中古物件を取り扱っており、オーナー様と入居者様双方の高度なニーズに応えるコンサルティングを軸としています。自社ブランド「VERXEED(ベルシード)」や、コンパクトマンションシリーズ「VERXEED STAIR(ベルシードステアー)」などの開発・管理も積極的に展開中です。

不動産投資において、収益性はもとより「入居者の満足度」と「建物の堅牢性」は欠かせません。長く住み続けていただける価値ある物件を提供するため、当社では自社で用地を取得し、設計・施工までを手がけています。ベルシードシリーズの入居率は99.5%(2024年11月現在)という極めて高い水準を維持しています。その中で、私は現在、施工部門を担当しています。

高橋光輝氏

――高橋さんは現場監督としてのキャリアが非常に長いとうかがっています。

高橋氏 1989年(平成元年)にマンション主体のゼネコンに入社したのがキャリアのスタートです。当初はファミリー向け分譲マンションの現場監督・施工管理に携わり、その後は公務員宿舎などの公共案件で現場施工のチェックを担当しました。その後、賃貸住宅に強みを持つハウスメーカーへ移り、地主様とともにマンションを作り上げるという経験を積みました。賃貸物件は分譲に比べれば規模は小ぶりですが、ものづくりの本質は変わりません。こうした歩みを経て、縁あってベルテックスに入社することとなりました。

――ゼネコンやハウスメーカー時代の具体的な仕事内容について教えてください。

高橋氏 ゼネコン時代はファミリー向け分譲マンションが中心でした。お客様にとっては一生に一度の大きな買い物ですから、非常に厳格に検査を行っていました。とくに製造業などに携わるプロの視点を持つお客様などは、一日かけた内覧で細部を確認されることもありました。常に「お客様の立場」に立ち、たとえ微細な傷や汚れ一つでも徹底的に対応してきました。最大で14階建て460世帯の大型案件や、20階建ての高層マンションを担当したこともあります。

ハウスメーカー時代には、RC造マンションだけでなく木造2×4(ツーバイフォー)の集合住宅も数多く手がけました。RC造では工期の長さや近隣とのコミュニケーション、安全確保に苦心した記憶があります。また、木造の現場では同時に4物件を巡回管理することもあり、移動だけで時間を取られる中、品質を担保するために優先順位を瞬時に判断し、フットワークを軽くして現場を回る管理能力が鍛えられたと感じています。

旧知の協力会社と共に踏み出した、内製化への第一歩

――ベルテックスへの入社の決め手は何だったのでしょうか?

高橋氏 エージェントを通じてベルテックスを知り、「開発事業主が自ら施工管理を行う」という形態に強く興味を惹かれました。面接時、梶尾社長から「ゼネコン部門を内製化したいが、できるか?」と問われたのですが、現場一筋でやってきた自負がありましたので「できます」と即答しました。ゼロからの部門立ち上げは、自分のキャリアを最大限に活かせる挑戦だと感じましたし、何より社長の人柄に惹かれたのが大きな理由です。

――内製化に着手されてからの経過はいかがですか?

高橋氏 徹底した準備期間を経て、入社から1年後に自社施工の第1号案件を完遂しました。現在は内製化3年目に入り、当初の計画通り5階建ての小規模物件で着実に実績を積み重ねています。2025年12月末には3棟目の竣工を迎え、建築部のメンバーも増員されました。2026年2月からは4棟目の物件も着工しており、規模も徐々に拡大しています。

内製化後、1棟目施工物件の「ベルシードステアー東日暮里」

内製化後、1棟目施工物件の「ベルシードステアー東日暮里」

――不動産投資会社が自ら施工を担うことへの手応えはありますか?

高橋氏 投資用ワンルームの世界で、ゼネコン機能を内製化している企業を私は知りません。当社にとっても大きな挑戦でしたが、幸いにも前職まででご縁のあった協力業者の方々に助けられました。一から協力業者を探すのではなく、長年信頼関係を築いてきた業者の方々に声をかけたところ、「ぜひ協力したい」と快諾いただけたんです。

ICTやDXによって昔よりも施工は容易になりましたが、どれだけ技術革新が進んでも最終的には「人」が作るものですし、協力業者なくして成り立たないのが建設業界です。信頼できる協力会社と共にスタートを切れたことで、内製化は大きく前進しました。

内製化を開始したばかりということもあり、現在はまだ小規模な物件が中心ですから、協力会社の方々からすれば、決して大きな利益が出るような案件ばかりではないはずです。それでもベルテックスの将来性を信じてお付き合いいただいていることに、本当に感謝しています。

2棟目施工物件の「ベルシードステアー西早稲田」

2棟目施工物件の「ベルシードステアー西早稲田」


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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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コメント(1)

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  • - 2026/03/04 18:49

    長井さんこれは良い記事です

    適当に業界の横文字を羅列して良いものだと誤認させる記事が多い中
    しっかりと重要な点を書かれていますね

    今まで施工の神様の記事は対立煽りや実際現場仕事をする人達を
    バカにするような記事が多かったと思います

    記者本質は正確に今の現状を伝える事だと考えます

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