施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語
【 連載:【"3.11"から10年】復旧・復興の最前線で奮闘した建設業界 連載一覧へ›

「特措法にあまりにも甘えすぎた」ゼネコン幹部が語る、福島の震災復興が生んだ建設業界の”功と罪”

  • インタビュー
  • エトセトラ
  • 失敗を生かす
『施工の神様』編集部
公開日:2021.03.31
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 1 コメント
  • メールで共有
「特措法にあまりにも甘えすぎた」ゼネコン幹部が語る、福島の震災復興が生んだ建設業界の”功と罪”
目次
  1. 未曾有の大復興工事の影の軌跡
  2. 100億200億が当たり前の"復興バブル"
  3. ゼネコンの受託スキームから生まれた闇
  4. "中間貯蔵"の安全性を明確に示すべき
  5. ゼネコンは"インフラを造った者"としての責任を

未曾有の大復興工事の影の軌跡

東日本大震災から10年。被災地の公共インフラの復旧・復興に当たり、建設業界およびゼネコンが担った役割は極めて大きいものであることは間違いない。だが一方で、ゼネコン幹部らが一次業者との契約関係の中で不当な利益供与を受けていたことが次々と明るみに出るなど、建設業界の悪しき元請下請関係を炙り出したのもまた、復興事業によるものである。

特に、福島第一原子力発電所の事故の影響を受けた福島県では、インフラの整備こそ進めども、住民の帰還は思うように進んでいないのも事実だ。ハコだけが造られ、産業の復興・創出という広義のまちづくりは一部置き去りにされ、利活用・維持の見通しが立っていないインフラも多い。

あるゼネコン幹部は、この10年間を振り返り「ゼネコンの業績には大きく寄与したが、特措法に甘えすぎたため、会社の体質・人材という実態経営にはほとんど寄与していない」と話す。同氏に、福島における10年間のゼネコン業界に対する自戒とこれからのゼネコン業界の在るべき姿について、匿名で語ってもらった。

100億200億が当たり前の”復興バブル”

――この10年間をどう見ているか。

A氏 一口に”福島復興”と言っても多様な観点があるが、我々ゼネコンが主に担ってきた復興とは「インフラと生活環境の復旧」である。これについては、まだ2、3年掛かるものと思っているが、ゼネコンの力無くして実現することはできなかったという自負はある。

だが一般に、ゼネコンに対して良い評判・評価をいただくことは多くない。自衛隊やボランティアの方々は感謝されても、我々ゼネコンが感謝されることはない。これはいわゆる”復興バブル”の中で、ゼネコン各社がいかに”カネを稼ぐか”だけを考えていたことが原因であり、感謝されないのも当たり前だろう。

復興に当たっては、我々ゼネコンが培ってきた技術力で支援を行い、その業務に対する”適正価格”を頂戴する。これが通常のビジネスの形だったはずだ。だが、福島復興に巨大な税金が投入され、いわゆる”復興バブル”が起こった。

ゼネコン業界では当時、5億10億の事業を受注するのに四苦八苦していた時代が長らく続いていたが、震災・原発事故によって100億200億が当たり前に発注されるようになったわけだ。ゼネコン各社は”あれもこれも”と手を出していった。

次のページゼネコンの受託スキームから生まれた闇

123»
「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督
「東北のことが忘れられない」 5年越しの思いを叶えて、広島から復興工事へ
  • この記事をシェアする48
  • この記事をツイートする2
この記事のコメントを見る1

この連載について

【
【"3.11"から10年】復旧・復興の最前線で奮闘した建設業界

東日本大震災から10年を機に、復旧・復興に当たって建設業界や建設行政が担ってきた役割や努力に改めてスポットを当てる。

記事一覧を見る
こちらも合わせてどうぞ!
「劣ってるヤツほど、土日も働く」スーパーゼネコンの現場監督が明かす“超絶仕事術”
「劣ってるヤツほど、土日も働く」スーパーゼネコンの現場監督が明かす“超絶仕事術”
スーパーゼネコンの現場監督が斬る! スーパーゼネコンで働き、月収100万円以上を稼いでいる現役バリバリの現場監督さんに、休日を確保しながら現場を運営する極意や建設業界への不満を聞いてきました。 発言内容が過激であるため、...
腐った監督職員は密告しろ!「請け負け」しないための公共工事必勝法
腐った監督職員は密告しろ!「請け負け」しないための公共工事必勝法
※この記事は「施工の神様」編集部宛に、匿名で掲載してほしいと送られてきた原稿を、一部表現を修正した上で掲載したものです。 公共工事の無能な監督職員に要注意 公共工事における監督職員は優秀で知識があるから、言われたことに忠...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...

この記事を書いた人

『施工の神様』編集部
この著者の他の記事を見る
施工の神様とは、株式会社ウィルオブ・コンストラクションが運営する、「現場目線」の情報を伝える新時代の建設メディアです。

建設業では、しばらくの間、現場の「生の声」が置き去りにされてきました。
長らく3Kと呼ばれてきた建設業は今、国土交通省主導による働き方改革やi-Construction、若手人材の確保育成、資格制度の見直し、地域防災の観点などから、大きな変革期を迎えています。
施工の神様は、施工に関する技術やノウハウ、体験の共有・伝承・蓄積という側面に加え、実際に建設現場で働く建設技術者・技能者の生の声を、建設業界および世間一般に伝えるという役割も積極的に担ってまいります。

個人・企業を問わず、取材してほしい方・執筆協力いただける方・PRしたいことがある方を募集しています。 お問い合わせはこちらへ。
「特措法にあまりにも甘えすぎた」ゼネコン幹部が語る、福島の震災復興が生んだ建設業界の”功と罪” 「特措法にあまりにも甘えすぎた」ゼネコン幹部が語る、福島の震災復興が生んだ建設業界の”功と罪”

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • 「特措法にあまりにも甘えすぎた」ゼネコン幹部が語る、福島の震災復興が生んだ建設業界の”功と罪”
  • 施工の神様
  • エトセトラ
  • 「特措法にあまりにも甘えすぎた」ゼネコン幹部が語る、福島の震災復興が生んだ建設業界の”功と罪”
  • 施工の神様
  • 失敗を生かす
  • 「特措法にあまりにも甘えすぎた」ゼネコン幹部が語る、福島の震災復興が生んだ建設業界の”功と罪”

コメント(1)

コメントフォームへ
  • - 2021/06/05 10:35

    「甘えすぎた」のではなく大手ゼネコンや天下り企業が「甘い汁を飲みすぎた」の間違いではないですか?

    返信する 通報する

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様