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2023年度「土木学会賞」が決定! 田中賞(作品部門)は”高速大師橋更新事業”など4件

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長井 雄一朗
公開日:2024.06.05
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田中賞(作品部門)で最優秀作品賞を受賞した、「高速大師橋更新事業」

田中賞(作品部門)で最優秀作品賞を受賞した、「高速大師橋更新事業」

目次
  1. 田中賞(作品部門)では新設2件、既設2件
  2. 「九頭竜川橋梁・新九頭竜橋」は新幹線初の併用橋
  3. 国内長大橋技術を海外で展開した「ブライラ橋」
  4. 施工の省力化と急速施工を実現した「東名阪自動車道弥富高架橋(下り線)の大規模更新」
  5. 架け替えを短期間で実施した「高速大師橋更新事業」

土木学会は、2023年度 土木学会賞を発表した。功労者や先進的な事例など各分野から216件の応募があり、18分野で111件を選定した。表彰式は6月14日に東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで執り行う。

田中賞の作品部門での最優秀作品賞は「高速大師橋更新事業」が受賞した。ほかの作品部門は「九頭竜川橋梁・新九頭竜橋」「ブライラ橋」「東名阪自動車道弥富高架橋(下り線)の大規模更新」が選ばれ、例年の田中賞(作品部門)と比較して既設事業が存在感を示し、インフラメンテナンス時代の到来を感じさせた。

また、最高の栄誉であり、土木工学の進歩や土木事業の発達、学会活動の運営に多大な貢献があった会員に贈る功績賞には、井合進氏(京都大学名誉教授、FLIPコンソーシアム理事長)、梅原秀哲氏(中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋テクニカルアドバイザー)、粕谷太郎氏(地下空間利・活用研究所所長)、茅野正恭氏(鹿島常任顧問)、河原能久氏(広島大学防災・減災研究センター学術顧問)、楠見晴重氏(関西大学特命教授・関西大学名誉教授)、佐藤直良氏(雨水貯留浸透技術協会会長)、中島章典氏(HRC研究所技術顧問、宇都宮大学名誉教授)、山縣宣彦氏(港湾空港総合技術センター理事長)、吉田望氏(関東学院大学工学総合研究所所員)の10氏が選ばれた。

ほか、技術賞の個別技術を評価するⅠグループは、北大阪急行電鉄、阪急設計コンサルタント、熊谷組・フジタ・森組JVによる「高層建築直下のシールド掘進と不飽和地盤凍結工法の開発」など11件。画期的なプロジェクトを表彰するⅡグループは、東京地下鉄、都市再生機構、森ビルによる「まちづくりと一体となった地下鉄新駅の整備~日比谷線新駅整備事業と隣接する市街地再開発事業~」など13件が選ばれた。

環境賞は、先進的な土木工学的研究を対象とするⅠグループで鹿島、錦城護謨による「プラスチックボードドレーンを用いた効率的な地盤からの油回収技術」など3件。環境の保全・創造に貢献した画期的なプロジェクトを評価するⅡグループは、鉄道建設・運輸施設整備支援機構による「国内初の環境管理計画策定とラムサール条約登録湿地の環境保全に向けた取り組み~北陸新幹線、中池見湿地付近深山トンネル等工事~」が授賞した。

その他各賞は、研究業績賞2件、論文賞7件、論文奨励賞7件、吉田賞(論文部門)3件、田中賞(業績部門)2人、同(論文部門)2件、技術開発賞9件、出版文化賞3件、国際貢献賞6人、国際活動奨励賞18人、技術功労賞10人だった。

今回も例年に続き、施工技術者に深い関りのある田中賞の作品部門についてリポートする。

田中賞(作品部門)では新設2件、既設2件

国内の技術を海外で展開した作品も選ばれた

国内の技術を海外で展開した作品も選ばれた

「田中賞」の創設の由来となった田中豊氏についての詳細は、以前の土木学会賞の内容に詳しくリポートしているので、そちらを参照してほしい。

関連記事:2021年度「土木学会賞」が決定。131件が受賞、田中賞作品部門は“多摩川スカイブリッジ”など6件

ちなみに、田中賞(作品部門)は、新設や既設の橋梁またはそれに類する構造物で、計画、設計、製作・施工、維持管理、更新、復旧などの面において特色を有する優れた作品を対象とし、規模の大小は問わない。ちなみに極めて高い評価を得た作品には最優秀作品賞を授与する。

2023年度の受賞作品は、新設は「九頭竜川橋梁・新九頭竜橋」「ブライラ橋(ルーマニア)」の2件で、既設は最優秀作品賞を受賞した「高速大師橋更新事業」、また「東名阪自動車道弥富高架橋(下り線)の大規模更新」の2件が選ばれた。まず作品部門(新設)から順を追ってどのような点が評価されたかについて確認したい。

「九頭竜川橋梁・新九頭竜橋」は新幹線初の併用橋

併用橋の「九頭竜川橋梁・新九頭竜橋」

併用橋の「九頭竜川橋梁・新九頭竜橋」

「九頭竜川橋梁・新九頭竜橋」は、橋梁下部工を鉄道と道路が共用する新幹線初の併用橋であり、道路整備と一体となって沿道開発もなされ、鉄道と車道・歩道全ての利用者が風光明媚な景色や車窓を楽しめる新たなランドマークとなっている。

下部工の一体化は建設費の大幅な削減、全体工程を短縮し、近接して単独橋脚の構築による洗掘を防ぐことで河川環境負荷を低減させた。施工時でも河川内工事用道路は流水部を仮橋・仮設構台形式で、桁は張出し架設により瀬替えを不要とし、河川環境保全の配慮をした。

耐久性・維持管理性の面では、鉄道桁は道路への凍結防止剤散布による塩害対策、PC グラウト充填性を検証して耐久性を確保し、新幹線軌道の維持管理性を確保するため、桁遊間は250mm以下で汎用締結装置を適用した。異なる事業が連携してコスト縮減、工程短縮、環境に配慮した設計・施工により、耐震性や維持管理性が確保された橋梁の実現は、今後の橋梁建設の推進に貢献すると認められた。

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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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