足場の1段目でレベルを見なかったツケ
それから数ヶ月後、足場は段々高くなり、ついに30m近くになりました。すると、いつものように足場を組んでいるはずの鳶さんのペースが停滞気味になっていることに気が付きました。「どうしたの?」と近くにいた若い鳶さんに問うと、「いや~、筋交や布板が入りにくくて、何だかレベルが合っていない気がするんですよね~」。
私はすぐに、ピン!と来ました(笑)。結局、足場の1段目でしっかりレベルを見ていなかったツケが回ってきたのです。もしかすると、足場が5段くらいであれば、水平器でも良かったのかもしれません。しかし、20段くらいになってくると、1段目の「小さな誤差」が積み重なっていき、見過ごせないくらい大きな誤差にまで発展したのです。
鳶さんには申し訳ないですが、「だから、足場の1段目はしっかりレベルで確認するんだな」と私にとっては、たいへん教訓になった出来事でした。
失敗を知ることで理解が深まる「足場のレベル確認」
足場の足元のレベルをしっかり見ずに組んだ足場は、上階に行くほど、少しずつズレが生じて組み立てが困難になる。だから、足場の足元のレベルを確認することは、スムーズに安全な足場を組み立てる上で非常に重要なポイントなのです。
・・・新しい知識を得た時は、「成功事例」の裏に隠されている「失敗事例」を知ることで何倍も理解が深まります。しかし、9割の技術者は「他人の失敗」を「他人事」のままにしています。もし、他人の失敗を「自分の財産」に出来れば、必ず技術者としての差別化が出来ると私は確信しています。
そういう意味でも、この「施工の神様」で、失敗も含めた建設現場での体験談を「共有・蓄積」することは、みなさんが同じ失敗をする確率を圧倒的に減少させるためにも大切です。だから失敗談は、こちらにドシドシ投稿しましょう。
お前馬鹿だろ?下手したら死人が出たかも知れない案件に(笑)とか・・・。
この業界に存在する価値無し