女性が建築現場で働き続ける上で必要なことは何か?
女性が現場で働き続けるために必要なことについて、一人3項目まで選択できる回答方式とした。2015年度と同様、2017年度もフレックスタイムの導入の希望が多い。さらには在宅勤務、完全週休二日制も多い。時間の制約を少なくできる方法について、要求が高いことが分かる。建築現場で働くことに関して、働き方の意識を変えていくことが、今後必要ではと思われる。これは女性だけではなく、男性にも言えることではと思う。
建築女子が「上司にしたい有名人」は女性が急増
上司にしたい有名人についてもアンケートを実施した。2015年度に実施した際には、有名人の名前を直接記載してもらったが、2017年度に実施した際には2015年のデータをもとに男女5名づつ10名の有名人の名前を挙げ、その中から選択する形とした。
2015年は、男性のお笑い系の名前を書く方が多かった。その理由としては、「現場が明るくなる」「楽しそう」と記載する人が多かった。2017年度は女性の有名人の名前を記載する人が多かった。有名人としては、女性の管理職を演じている女優、もしくはオリンピックのメダリストなど、リーダーシップにあふれる人物ばかりであった。2017年年度の結果は、自分の目指すべき姿を選択していたように思われる。
※有名人の具体名は差し控えさせていただくが、どうしても気になる方は「施工の神様」編集部までお問い合わせください。
建築女子アンケートの結果まとめ
トイレや作業服、休憩方法などの身近な問題から、働き方の意識までアンケートを実施した。その結果以下の傾向がみられた。
- 作業服やトイレなどでは、女性に対する配慮が一部で見られるようになった。しかし、まだ不十分な点も多く、便利で清潔なトイレやサイズのあった作業服を求めている意見も多い。
- 休憩方法、疲れた時の対処法については、22017年の結果は2015年のデータとほぼ一致しており、現場での配慮や改善がほとんどなされていないこともうかがえた。
- 意識については、2015年より女性が男女差を感じるとした回答が増えた。今回の回答は40歳以上の回答者も多くベテランが多いこともあり、自分がやさしく接せられていると感じた回答者も多いようである。女性の部下を教育していくうえで、男女を同じように教育していくことが今後の課題と思われる。
- 女性が現場で長く働き続けるためには、フレックスタイムの導入や完全週休2日制、在宅勤務など、現場での作業時間を短くできる対策が今後必要とされていることが必要である。
- 上司にしたい有名人に関するアンケートでは、2017年度は女性を選択する回答者が増えた。オリンピックメダリストや管理職を演じたことのある女優など、自分の目指すべき姿ととらえている傾向が見られた。
このアンケートでは、現場で働く女性171名に対して32項目にわたるアンケートを実施しており、今回の報告はその1/3程度である。いずれ順次報告を行う予定である。アンケートの実施が2017年5~6月であったため、現場での熱中症対策、夏場対応に関する回答項目もあり、これらも2年間の推移を経て傾向に変化が見られるので、データを紹介できたらと考えている。