目指すは「一番」。日本経済を支えているのは建設業だ
――高木社長は若いころ、悪いコトもしていたんですか?
高木社長 悪いコトと言うか、好きなコト、やりたいコトをしてましたね(笑)。本当に悪いコト以外は、だいたいやっています(笑)。まあ、警察の方と「鬼ゴッコ」したぐらいですけど(笑)。
――高木社長に対する印象などを。
大倉 私は親戚なので、高木社長が小さいころから知っています。「鬼ゴッコ」の話も知っています(笑)。いま一緒に仕事をしているわけですが、感慨深いですね。会社を継いで、悪戦苦闘しながら、一気に会社をココまで持ち上げたことを考えると、「努力の人」だという印象です。「負けず嫌い」な性格が努力の源になっているのだと思います。
高木社長 「負けず嫌い」はその通りです(笑)。一番でないとダメなんです。入札と同じです。この点、建設業界は私の肌に合っていると思います。
――建設業も一番?
高木社長 日本経済を支えているのが、建設業だと思っています。いろいろな仕事の中でも、建設業が一番です。
――高木建設のなにを一番にしたい?
高木社長 地域から求められる企業の一番です。そこしかないです。
――今は一番ではないですか?
高木社長 まだ一番ではないです。
――なにが足りないですか?
高木社長 私が一住民としての立場で、高木建設を見ると、まだまだな部分があるということです。分野によっては、それを理解できる人材が足りていない、育っていない。技術とか知識と言うより、人間的な部分ですね。
――売上げなどは?
高木社長 そういうものは、後からついてくるものだと考えています。あまり考えませんね。売上げだけを考えていると、途中で空中分解します。私は、若いころから、社長としていろいろな失敗事例などを見ているので、同世代の中では、比較的多くのことを勉強してきたと思っています。
「税金で地元に還元すればいいだろう」という考えで、県外で仕事をしている企業もありますが、私はそんな冷たい考えで経営できるんだろうか、と疑問を持っています。やはり、地元貢献は「雇用」だろうと思います。雇用して地元に還元するのが企業の本筋だと。
ただ、これから先は雇用だけではダメだとも思っています。ものをつくる楽しみが持てる、夢が持てる業界、企業のあり方を考えていく必要があると思っています。
「阿波踊りで失敗」後継者づくりこそ、社長としての最大の仕事
――高木社長に言いたいことは?
伊原 これまで通り妥協しないで、突っ走って欲しいです。老け込んだような話は聞きたくありません。本当にシンドイときは、グチに付き合います(笑)。
瀬尾 高木社長は、自分の意志を決して曲げない人だという印象です。入社当初は、「イカつい」イメージでしたが、やさしい面もあって、魅力的な方だと思います。
――社風づくり、社員との関係で意図していることは?
高木社長 一言で言えば、今私が死んでも、この会社が存続していける会社にしたいということです。親父が急に亡くなった経験があるので、私もそうならないとは限りません。自分自身、なにもわからないまま、親父の跡を継いで苦労したわけですが、「これは企業ではなく、個人事業主だな」と強く感じました。会社組織というものの必要性を強烈に感じたわけです。社長は会社の方向性を示すけど、社長がいなくなっても、組織として機能していく。社員で仕事を回せる、そういう会社にしたいですね。
――後継者づくりは?
高木社長 私の最大の仕事です。社長として必ずしなければならない仕事です。阿波踊りで失敗しましたから(笑)。トップダウンの会社は、社長が元気なときは良いんですが、そうでなくなったら、哀れなモンです。社長は自業自得なのでどうでも良いんですが、社員さんは本当に哀れです。過去にそういう会社をたくさん見てきました。そんなことにならないよう、今、走っているところです。
――土木技術者にとって必要なスキルは?
高木社長 チームワークを守れない技術者はダメだと思います。個人の能力が高いに越したことはありませんが、会社はチームとして仕事をやっていくものなので、チームワークを守って、お互い助け合うことができる技術者であれば、会社としての勝負を託すことができる、と思っています。
――過去に注意した事柄は?
高木 原価管理ができない技術者ですね。仕事はこなせるけど、原価管理ができない技術者は結構多いです。
確かに、震災のとき自衛隊は注目されたけど、建設はあんまりだったな。