「快適トイレ」で建設現場を働きやすく!災害用ニーズも高まる
仕事も家庭生活も充実させようという「ワーク・ライフ・バランス」が、いろんな職場で導入されています。
国土交通省では、土木建設の現場を働きやすい職場環境にするため、「快適トイレ」の導入を奨励。直轄工事の現場では「快適トイレ」がなくてはならないものになりました。
i-Construction時代の建設現場のトイレはどのように変わるのでしょうか?
建設現場の「快適トイレ」導入の経緯
平成27年に「第4次男女共同参画基本計画」が閣議決定されたのを受け、国土交通省では、土木建設の現場が男女ともに働きやすい職場に変わるようさまざまな取組を進めています。そのひとつが「快適トイレ」の導入です。特に、いままで女性技術者に不評だったトイレの改善を目指しています。
「快適トイレ」は、平成26年にモデル工事が7件実施され、翌27年には271件もの現場で実験的に使用されました。
そして、平成28年10月1日から入札手続きを実施した直轄工事では、すべての現場に快適トイレを設置することが原則とされたのです。
国土交通省によると、この快適トイレ設置の原則化は、国だけでなく都道府県、市町村の工事現場にも広がりを見せており、今後、公共工事に入札する場合、快適トイレの設置は当たり前のことになるかもしれません。これまでに国交省直轄の工事現場で、快適トイレがどの程度導入されたかは、現在集計中とのことでした。
快適トイレの標準仕様とは?
快適トイレには、以下の通り標準仕様が決められています。
- 水洗(簡易水洗含む)、もしくはし尿処理装置付き
- 臭い逆流防止機能付き(フラッパー付き)※必要に応じ消臭剤なども活用して対策する
- 容易に開かない施錠付き(二重ロックなど)
- 照明設備(電源がなくてもよいもの)
- 衣類掛けなどのフック、または荷物置き場の設備付き(耐荷重5kg以上)
さらに付属品の設置も義務付けられています。
- 男女別の明確な表示
- 入り口の目隠し板の設置
- サニタリーボックス(女性トイレ)
- 鏡付き洗面台
- 便座除菌シート等の衛生用品

入口前に目隠しを設置、野ざらしにさらないので安心感抜群の快適トイレ
この他にも、室内寸法900mm×900mm以上など、推奨する仕様や付属品も別途定められています。
現在、こうした基準に合致した快適トイレを設置したことが確認されると、国交省直轄工事では、契約金額に快適トイレのレンタル費用45,000円/基・月、2基を上限に加算することができます。上限を超える部分については、受注者が積算項目内の「イメージアップ経費(率分)」に計上できるので、実質無償でレンタルできることになります。
快適トイレは男性にとっても使いやすく心地よい場所ですが、女性技術者にとっては非常に嬉しい設備。容易に開かない扉や男女別トイレ、化粧直しもできる洗面台などは、使いやすさと同時に安心感も得られるので、大きな前進といえます。