土木施工管理技士なのに積算できない?
税金で土木の公共工事を行う際、発注者がはじき出した工事金額は、適正価格かどうか。――それを判断するために必要な能力が「積算」である。
土木業界で働いていれば、何度も積算という言葉を耳にするのだが、土木施工管理技士で積算ができる人は意外と少ない。
ということは、積算ができる土木施工管理技士は、周囲から優秀だと思われる可能性が高いことを意味する。
もし今後も土木業界で仕事を続けていくなら、積算能力ぐらい身に着けておいて損はないはずだ。
積算できる土木施工管理技士が少ないワケ
そもそも積算とは、工事にかかる必要コストを、事前に予測して算出することである。
しかし、基本的には、工事発注者が会計法に基づいて算出して、われわれ受注者に提示してくることがほとんどなので、工事を請け負う土木施工管理技士が、積算業務に携わる機会は少ない。
だから、積算できる土木施工管理技士が少ないのだが、下請だって積算をできるようになったほうが本当は良い。
なぜなら、公共工事は全国各地で発注され、多くの発注者が積算をしているので、発注者個々によって、積算ではじく金額が異なる。その中には、工事金額を大幅に減額してくる発注者もいるのではないか?
いやいや、「土木請負工事工事費積算基準」という積算の基準が設けられているので、そんな酷いことはないはずだが、たまに明らかにおかしい工事金額を積算してくる発注者もいる。
そんなとき、積算を理解しておかないと、おかしい工事金額を積算してきた発注者に対して、根拠を持って反論することができない。つまり、下請が工事を請け負けしないためにも、積算能力は必要となる。