建設職人甲子園に参加して「成長する企業」と「崩壊する企業」
――建設職人甲子園に参加する会社は、どのようにプレゼンテーションの準備をするのでしょうか?
鈴木 まず、日々現場で働く職人はプレゼンテーションをする機会なんて全くと言っていいほどないので、地区ごとに地区理事や実行委員がしっかりサポートします。
職人は皆、夢だったり誇りだったり不満だったり、何かしらの熱い気持ちがあるので、それをどう伝えたら聴衆に届くのか、スピーチの構成からモニターに映し出すパワーポイントスライドの作るところまで、一緒になって取り組みます。
期間中はかなりみっちりと準備や練習が必要になるので、どの会社も学生時代に経験した学園祭の前のような忙しさと高揚感に包まれます。
――今回のプレゼンでは壇上で部下と社長がバトルのようにぶつかり合う内容があり印象的でした。
鈴木 あれは演出でも作戦でもなんでもなく、職人達の本音ですね。建設職人甲子園への出場が決まり、プレゼンテーションを作るにあたって会社の状況を整理している中で、社員たちは色々なことに気付き始めます。そこで会社に対しての不満が初めて芽生えてくるケースも少なくありません。
この時大切なのは、社員だけでなく社長も一緒に取り組むということ。全員で一丸となって意見を交え、ここを乗り越えるととてもいい会社になるんです。逆に、社長が見て見ぬフリをして社員だけで進めていくと崩壊します。これまで良い例も悪い例も見てきました。しかし、どちらにしても職人にとって、建設職人甲子園に参加することには大きな意味があると思います。
優勝賞金ナシ。お金よりも大切なモノを得られる建設職人甲子園
――建設職人甲子園で優勝すると、どんなメリットがありますか?
鈴木 メリットは……特にありません。ただの称号……ですが、間違いなく企業価値が上がると思います。また、普段はなかなか関わることのない他の企業との繋がりができたり、家族に自分の仕事ぶりを知ってもらえたりと、参加するだけで充分に意味があると思っています。私も最初に初代理事長から話を聞いたときは胡散臭いと思いましたが、今はこうして関われることを誇りに思っています。
――建設職人甲子園の理事長として今後の展望は?
鈴木 理事長の任期は2年なので、私が理事長を務めるのは2019年までです。次回の建設職人甲子園全国大会がさらに素晴らしいものになるように、まずは勉強会や各地区大会を盛り上げていきたいです。また、今後は入賞した企業の夢を実現させるためにクラウドファンディングを副賞としてつけるなど、より具体的に企業を支援するような取り組みも考えていきたいです。
人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!
「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、
こちらからお気軽にお問い合わせください。
現実に目を背けてはならない。綺麗ごとでは変えられない。
当たり前のことをストレートにやっていると思う。