良い職人さんがいるだけで仕事になる時代へ
——協力業者との連携と併せて、現在は自社にも施工部門を開設して職人を育成されていますね。
前田 2年ほど前に施工を行うグループ会社として、株式会社マエダハウジングプラスを設立しました。現場の職人不足が深刻化していく中、自社で若い人材を育成しておく必要性を感じたのが設立の動機です。
調査によると日本全体の大工さんの数は2000年に60万人、2010年に39万人、2020年には20万人台に、といった推移で右肩下がりに減少しているとか。
私の周りでも大工さんの高齢化は進んでおり、20代の人はまずいないので不安が募るばかりです。もちろん大工以外の職人さんも同じ傾向にあるようで、いずれは良い職人さんを抱えていると、それだけで仕事になる時代が来るかもしれません。早めに準備しておかないと。
——建設業界全体の悩みですが、イチから育成となると時間もかかりますね。
前田 14年前にも一度、自社で大工を育成しようと試みたことがあるんですよ。20代前半の素人を腕の良い棟梁に預けたのですが、一人前になるのに10年かかりました。その間、棟梁は指導するのに時間をとられて現場の作業効率は落ちますし、もちろんお客様から二人分の賃金はいただけません。ずっと持ち出しが続いて経費がかさむことから、あとが続きませんでした。
今回の施工会社を興すにあたり、10年かかった育成期間を5年に短縮できないか?と考えてみたところ、その時の棟梁が昔ながらの徒弟制度的な考え方で技術を習得させていた点に気が付きました。大工さんに限らず、今の現場では作業の範囲も広いのでそのやり方では合っていません。若い職人の育成と同時に教える側の人材を育てることも課題ですね。
1人で複数の現場作業をこなす職人「多能工」を育成中
——職人さんの育成は順調に進んでいますか?
前田 職人といえば、昔はひとつの作業のスペシャリストとされていましたが、時代も変わり、いま現場で求められているのは複数の作業がこなせる職人なんです。私は、1人でいくつもの作業をこなすスキルを備えた「多能工」を育成したいと考えています。
例えば、トイレのリフォームを行う場合、養生、解体、水道、大工、電気、内装、掃除といった作業工程があり、それぞれ専門の職人が何人も入れ替わり、立ち替わり入って作業しなければなりません。狭いスペースなので1人ずつしか入れないことから工事に2日、3日かかってしまいますが、いくつかの作業を単独でこなせる多能工がいれば、2人くらいで請け負えるので工期が短縮できます。
また人件費が減る分、会社の負担も減りますし、お客様としても工期が早くなり、金額も安くなるのできっと喜ばれるはずです。
目下、新卒者や電気工事経験者、元現場監督経験者など4人を教育しているところですが、まずはリフォーム業に特化した多能工を1人でも多く育てていくのが目標です。
将来を見据えて自分の進むべき道を探しておられる若いみなさんには、私たちの下で「現代の職人、多能工」を目指してほしいですね。経験や実績は不問で何よりも人間性重視、価値観を共有できる人ならば大歓迎です。
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知らなかったけど建設業ってユニークな人が多いよね。他業種から入ってくるとびっくりする。昔野球選手だった監督とかいたわ。レーサーもいたな。変なヤツが多い。
広島在住ですがみるみる内に大きな会社になりましたね。
社長さんとも1度お会いしたことがありますが、腰が低く笑顔が特徴的な印象でした。
これからも広島を支える企業としてトップをひた走って頂きたいですね。
やはりリフォームをお願いするのもお金がかかることです。今の時代、新築が当たり前でなくリノベーションなどで家を甦らせることも多いです。技術は当たり前であとはやはりその人の人柄で最後はお願いするか決めると思います。前田さんはポジティブな人柄が伝わります。前向きな会社にお願いしたら家も上手くまわっていきそうです。そんなをことを思いました。
会社創業当時から現在まで、どのように歩んできたのかが分かりやすく楽しかったです。企業のトップのレベルで現場の雰囲気の向上、社員や職人の間での情報・意識合わせを行っていることに驚きました。
また、時代のニーズを先読みし、今後の職人の育成を行っている事にも感激しました。不動産業界だけでなく、他の業界でも活かせていける情報を得ることが出来ました。
今後も広島を代表する企業として、頑張っていただきたいです。
異業種からのリフォーム会社創業という時代ニーズを読む着想やチャレンジ精神に感銘を受けました。創業時の体験談や多能工育成が信頼成長のカギを握るなど事業経営の苦労が分かりやすくレポートされており、建設業に関わる立場の読者として共感するとともに大変参考になりました。
広島県のリフォーム業界で5年連続トップの実績、年商約20億円に達するまでに業績拡大させた経営手腕に今後も注目しています。
紆余曲折あって、1代で築き上げた会社
である事。また、業界独自の問題点を
克服改善されて現在の立ち位置にいる事
が理解出来。参考になりました。