除染廃棄物を行方不明にできない中間貯蔵施設の仕事
「除染廃棄物の輸送施工管理」の業務内容は、以下の2工種に大別できます。
- 福島県内全域の仮置場での搬出担当
- 中間貯蔵施設での搬入担当
搬出作業も搬入作業も基本的には同じような作業です。
除染で発生した廃棄物は、1つ1つタグで管理されているので、仮置場からの搬出時には、バーコードで読み込んだ後、施工管理者がiPadでサインします。その後、除染廃棄物を積んだ輸送車が中間貯蔵施設に向けて出発します。
積み荷の際の安全管理は当然の業務ですが、1つの仮置場には環境省、JESCOなど発注者側の管理者が4〜5名常駐しているので、輸送時のトラブルに関する行政側との対応なども仕事になります。発注者側の方針はコロコロ変わり、施工計画もあってないようなものなので大変です。
そして何よりも現場担当者として一番やってはいけないことが、除染廃棄物を行方不明にしてしまうことです。
つい先日も、大手ゼネコンの下請企業が除染廃棄物を指定場所以外に埋め、「放射性物質汚染対処特措法」違反の疑いがあるとして、テレビで報道されていました(2018年8月1日)。この事件は仮置場に搬入する前の、家屋解体に関する報道でしたが、除染廃棄物の搬出搬入に当たっては、管理を徹底しなければなりません。
除染廃棄物の輸送施工管理の求人内容
はっきり言って、「除染廃棄物の輸送施工管理」の業務自体は複雑ではありません。
ただ、あまりにも狭いエリアの中で巨額な金銭が動いており、旧態依然とした建設業界の悪しき慣習や偏見もあるので大変です。
作業員のモラルが低い部分もあります。除染で使用したマスクや軍手を近隣のコンビニに捨てたり、どろどろの長靴のまま、お店に入ってしまったり、作業員さんのモラル啓発も業務のうちです。施工管理者の管理が甘いと、ニュースで報道されるような除染廃棄物の違法投棄にもつながってしまいます。
除染作業の延長で、輸送施工管理もできると思い込んでいる人もいますが、それは大きな間違いです。
発注者への対応も含め、施工管理者は少人数で現場を管理しなければならないため、大型工事の施工管理経験者や、元請けのゼネコン、国土交通省、NEXCO等の出身者が必要です。
中間貯蔵施設の輸送施工管理として働きたいという、気概のある技術者は、日本のどこかにいませんでしょうか?
誰かがやらなければいけない仕事。周囲の理解、国民の理解もまだまだだし、僻地で単身赴任の人も多いだろう。
お金で働く人も多いだろうが、それだけでは絶対にキツイ。
こういうところで働いている皆さんは尊敬に値します。
応援しています。
輸送の施工管理ってなんじゃろな
初めて復興仕事人さんのブログ読みました。
いつもありがとうございます。
全然畑違いの仕事しているのでわからないのですが、
具体的に施工管理技士の資格取得と、
ある程度の経験ですよね?
東北に住むものとして詳しく知りたいし、
挑戦してみたい気持ちになりました。
弊社にも中間貯蔵専門のセクションがありますが
末端の作業員は現地採用の嘱託社員もしくは下請けなので
記事にあるとおり、モラルの維持が課題となっています
まったく分野の違う会社が、突然除染関連の部門を立ち上げて
素人を派遣していますから、確かにお金になるのだと思いますが