建設現場では「規制厳格化」が進んでいる
——建設現場の安全衛生関係のルールがコロコロ変わっているそうですが。
A 日本の労働安全に関するメインの法律は、「労働安全衛生法」だ。法改正には国会承認が必要で、なかなか変えられない。政令である「施行令」は、政府が決めるので、たまに新たなものが追加されている。厚生労働省令である「労働安全衛生規則」は、職場への具体的な規制であり、ここ数年、頻繁に手が加えられてきた。
それらは、2019年にも大きく変わる。近年、省令が改正されるたび、建設現場への規制は厳しくなっており、作業性も著しく低下している。「建設業界の活性化」という観点からすれば規制緩和が必要であり、正直、逆行という印象が拭えない。
当然、改正の意図は規制、罰則の強化による災害減少を期待するもので、労働災害を減少させることは、業界の活性化に繋がることに違いはない。ただ「なぜ今なのか」と違和感を覚える。これら改正に際し、地域建設業からは「地方の中小、零細建設業の実情を理解していない。まさに切捨てだ」などと、不満の声が上がっている。
「机上の安全対策」に苦しむ中小零細建設業者
——どういうことに対して、不満が上がっているのか。
A 例えば、2017年にロープ高所作業の規定により、従来の「命綱」が「メインロープ」に代わり、安全帯を取り付ける「ライフライン」の設置が義務付けられたが、2本のロープを操作することで、作業性は大きく落ちた。
さらに、「にわか識者」の発注者の中には、規定のない作業にまで2本のロープを要求する者もいる。「安全第一」とは次元の違う要求だ。要求された現場監督は、「どうしてここまで…。腹立たしさもあるが、あきらめの境地に近い」と言っていた。中小、零細の建設業者は、発注者と「机上の安全対策」に前後を挟まれ、もがき苦しんでいる。
2019年2月1日から「安全帯」の規格が「墜落制止用器具」に変わる。国際標準への対応、ISO規格への変更だ。建設業のみならず、安全帯を墜落防止の保護具として使ってきた日本の産業界では、法的に買い替えが要求されることになる。過去からの災害事例を探っても、安全帯が災害に起因したものは、そんなに多く見受けられない。だったら「なぜ今」という疑問が生じる。墜落災害を減少させるに至る効果より、規格替え、買い替えが先行しているように思えてならない。
ただ、国が決めれば、それに従うしかない。パブリックコメントとは単なる「ガス抜き」で、何らかに反映されるものではないことも重々承知しているが、やはり釈然としない。労働安全衛生法の主旨は、「快適な職場環境の形成による事故・災害の防止ではないのか」と言いたくなる。言葉の言い回しとか、後付け理屈、規格品、適用日など、こだわるものが違うのではないか。もっと職場の第一線で働く人のことを考えた措置が必要ではないだろうか。
過去には規制緩和が進められたこともあった。民活という言葉もあった。ところが、ここ数年の規制強化は、「民活の粛正」になっていないか。職人と呼ばれる方たちの仕事場は、どんどん働きにくくなり、新規参入者も定着することなく、失意の中、業界を去っている。
——ただでさえ、職人不足で困っているのに、ダメ押ししていると。
A その通りだ。職人さんの作業に望む装備は大がかりになってきた。当然、保護具は身体を守る最終手段であり、法の有無とは関係なく、安全第一のためにある。
しかし、近年重装備となり、身体影響は著しく増加している。新規に発売されるものは高額になり、金銭的負担も大きくなっている。現状の胴ベルト型安全帯は1万円程度で購入可能だが、フルハーネス型になれば軽く5万円を超える。
新規格のモノは、国の肝いりなので、購入しやすい単価になる事を期待するが、果たしてどうだろう。いずれにせよ、大手製造メーカーや販売店は、さぞかし潤うことだろう。
発注者とのやりとりは、まさに記事のとおりですね。
仮設の図示があいまいで、注釈等に「任意仮設とする」等と書かれている時は要注意です。
①仮設は任意なので受注者の責任で決めて下さい⇒②仕様書では法令順守が求められます。安全に配慮するとこの計画では不足です⇒③発注図面にない大げさな仮設が必要になりますが、図示のとおり任意仮設なので矛盾はありません⇒④受注者が自分で決めた仮設なので変更の対象にはなりません。という流れです。
この理屈に立ち向かう良い案は浮かびませんでした。
分かっていたのに受注した、不明確だと思うなら入札前に質疑を出すべきだというのが受注者側のスタンスです。
この間これにやられ持ち出しました。
しまいには担当者から、儲かってるんだからそのぐらいいいでしょと言われました。1%出すのにどれだけ大変か、殺意しかなかった。
こう言う罠に引っかからないために、発注者側が仕掛けてくる罠の情報をみんなで共有したいですね。
現場側の経験、知恵を合わせて発注者に対抗していきましょう。
現場側の知識の集積を❗️
田舎県職員で発注者側です。
任意仮設は、発注者が施工可能な標準的な仮設を設計として計上するが、受注者の都合で、同等性能であれば任意の仮設でよい。
というものですから、施工可能な標準的な仮設がない以上は、受注者の提案を標準的な仮設として採用し、変更で計上すべきで、私はそうしてます。
みんなが同じことを感じてると思うと面白かったです。
>「農家のトラクターは公道に土を落としても、誰も文句を言わない。建設業者のトラックが土を落としたらどうだろう。誰かがお役所に通報し、清掃とお詫びが要求され、発注者による叱責もある」
更に加えるなら農家の収穫時の米の運搬も。
軽トラに1トン近く積んで運搬していますが見て見ぬ振り。
まったく同意見です。責任回避が仕事の人がやたら多い。どうしたら変わるのだろ?
地方の主要産業って役所だから、こんなに役人が偉そうなんだろうなぁ。
都心だと他の産業が強いから役人なんてそんなに偉くない。
役所の建物を見てみればわかるけど、地方の一番立派な建物って役所か公共施設だったりするやん。東京なんて豊島区役所とか最近までボロボロだったよ。
フランスのデモみたいに日本人も役人に激しい抗議した方がいいんじゃないかな。火をつけるとか過激なのはやだけどね。
現場の苦労もっと世に知ってほしいです。官も上の人(メンツしか無い人や議員)に無理を言われて地整でさらに請負業者を叩くという構図が今の現状ですよね。協力業者さんも若い方は少なく、連日現場に出るのは辛い方もいます。そう思えば実際の仕事の内容を考えていない工期を出し、コンサルタントも現地調査もせず適当な発注資料を作っている。さらに地域住民への配慮も基本的には各業者の仕事。どんなに気を配って調整してもクレームを入れる人は絶対にいますが、責任は全て業者のせい。工事評点という形でマイナスが入ります(1点で数百、千万の影響が出ることもあります)。そして会社で個人が叩かれる。こんなんじゃ企業が何人新卒入れても現場に若手が入ってくるわけがないです。この職種に就いて、世の中にはモノを考えての”仕事”ではなく、無駄なものを作る”業務”をする人間の多さに失望しました。
どこの業界団体とは言わないが、表面だけいいような広告をばらまいて若者を集めようとして税金使って、でも結局こういう臭いことに目を向けないから意味がない。すぐやめる。国と施工の神様がコンビを組むことが一番希望につながる?なんて思いました。あー寒くなってきたし夜勤嫌だな。
最近、お馬鹿な発注者が増えたな。税金で仕事をしているのだから、利益なんて出す必要ないでしょ、と真顔で言ってくる。自分の給料は、税金のくせにね。それ以前に、われわれも納税者なんだけど。
バカな話だがコレが現実ですわ。
誰が自分の子供に気温35度の酷暑で死にかけながら週に6日仕事したご褒美に社長と地域住民の罵声とカスみたいな賃金を貰える仕事に就いてほしいと思うかという話。
常識的に考えて普通の思考力を持った人間なら真っ先に避けるべき業界でしょう、大学出て人生の罰ゲームみたいな仕事に就くわけないでしょ、挙句の果てには下っ端の職人から社長まで全員労働基準法守る気が無し。本来なら告発されて潰れるべき会社や何らかの罰を受けなければならない発注者がのさばってる、犯罪者が仕事してるような状況ですよ。
もう知恵や技術の話の段階じゃないんです、業界自体が腐って末期なんです、この業界を辞める人は自分のこれからの人生と命を第一に考えて賢明な判断をしただけです。
天下り先が多い。外郭団体が多い。年寄りがのさばっている。働いていないヤツが蜜を吸い上げている。吸い上げているヤツが制度を決めている。若者は来ない。以上!
既にこの業界は終わってます。
複数の現場責任者を掛け持ちさせられ、休みも取れず昼も夜も働いて寝る時間すらまともに無い。
それが賃金に反映されることもほとんど無い。
そのくせ責任ばかりは重くのしかかってくる。
こんなの「仕事」ではなく「奴隷」です。
20代〜30代にみんな逃げられ、他業種で雇ってもらえない40代以上が諦めて我慢してるのが現状ではないでしょうか?
15〜20年後、残りカスの我々が退職したとき、地域建設業がなりたたなくなる事は目に見えてます。
台風や大雪時の対応や道路・上下水道のライフラインなど現在と同程度には維持できなくなる事は十分予想できます。
そのときは国民全員で痛みを分かち合いましょうね。
それは、貴方の会社の問題ではないでしょうか。
全くもってその通りですね。安全て仕事してる方もめんどくさいんですよね。道路工事なんかやってると、住民は非協力的だし、通行する人や車は邪魔者扱いだし、ご苦労さんやありがとうなんて言われたことない。やりがいなんて、微塵も感じませんね。
建設業は、『限界産業』なんですよ。
3kで賃金まで安いから、誰も来ないのは、当たり前。
賃金もそうだが建設業界の人が増えない原因は何でも経験が必要な事なんだよな。
仕事をしても経験が無いからと舐められる、資格取得でも経験が必要、仕事はさせたいけど資格がないと仕事はさせないとか本当に笑わせる。
本当に仕事、資格も矛盾だらけの業界だよね、新人なんてどう立ち回ればいいんだと言う話、人は減るが増えはしないよねコレじゃあ。
これは生きた力説だった。現場の生々しさがよーく伝わったと同時に皆そんな思いをしているのに昭和から変わらないザ、ドカタw
言ってる事が全て分かってしまって悲しくなりました。
未来の無い職です
いままで自分が考えてきていたことを
すべて網羅してくれている記事で、
少し救われた思いがあります。
一通り1級系の資格は取り、国から地方自治体までの工事を
なんとかこなしていました。
しかしながら近年、官民あわせて理想と現実の
乖離が激しく、間に置かれている現場の施工管理職に
愛想がつき、先日別業種に転職しました。
建設業は30年前から何も変わりませんし、
変わることはないと思います。
自分や家族がダメになってしまう前に、立ち止まって
皆様も一度お考え下さい。