――若者はICT機器に興味を示すと聞くが?
次期社長A 確かにそういう傾向はある。何もわかっていない新人技術者でも、ICT機器を使えば、図面データなどを作れる。「自分にも土木の世界で役に立てる」という喜びを感じるきっかけづくりとしては、素晴らしいツールだと思う。
ただ、「自分は仕事ができる」と勘違いさえしなければ、ではあるが。ICTはあくまで、土木に興味を持ち、深く学ぶためのツールに過ぎないと思っている。
自分は技術者じゃなく、未来の社長。現場に未練なし
――社長になってやりたいことは?
次期社長A 一言で言えば、「自分が納得したことをやりたい」という思いがある。今のところ経営状態は良いが、僕が社長になったら、いずれ会社を潰すかもしれない。
甲社長は自分の親なので、あまりほめたくはないが(笑)、良い経営状態を続けているのはスゴイ。他社と比べて、「良い社員を連れている」こともスゴイと思う。
甲社長は豪腕なので、自分に同じことはできないとわかっている。だからこそ、まったく違うやり方でやっていくしかないという思いはある。
自分が社長になって、会社を潰したとしても、「ゴメン、僕が潰した」「責任は全部僕だ」と言いたい。すべての責任は僕が取るので、やりたいようにさせて欲しいという思いがある。少なくとも、人から言われて、自分が納得できないことはしたくない。ダメになったとき人のせいにしてしまうから。
その一方で、信頼する社員には「僕が間違った方向に行ったら、言ってくれ」と言ってある。納得できることなら、いくらでも変える。
――現場仕事に未練はないか?スキルアップとか。
次期社長A 今まで技術者としてやってきたが、「今後、技術者としてどんどんスキルアップをしていかなくては」という思いはない。むしろ現場からは、今後「どんどん抜けるべき」ではないかと思っている。
そもそも自分のことを技術者だと考えていない。甲社長からもずっと「お前が一流の技術者になる必要はない。もっとやらなくてはいけないことがある」と言われてきた。
ただ、自分が技術者としてやってきて実感できたことは、自分が特別仕事ができなくても「良い現場」はつくれるということだ。技術者である自分がすべての能力を持って、すべてのことをやる必要はない。
自分が「どうしたいか」「どうすべきか」を正確に伝えることができて、協力していければ大丈夫。現場は一人ではできないが、逆に、優れたコミュニケーション能力があれば、やっていける。「良い技術者とはそういうものなのかもしれない」と、今は考えている。
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