“構造物を写真に残す文化”がない土木業界に疑問
岡部さんには、土木写真部を立ち上げる以前から「土木は情報発信が弱いなあ」というモヤモヤとしたものがあった。
国や自治体なども、HPなどを通じて土木工事などに関する情報発信を行なっている。だが、その多くは「この道路が開通すると、何分短縮されます」とか「この事業により、何億円の経済効果が見込まれます」など、事業効果を伝えるものが多い。
発注者が事業効果を伝えることを否定はしないが、「それだけで本当に土木の魅力が伝わっているのか」、広報のあり方に違和感があった。
また、宮崎県をはじめ、各都道府県ごとに土木広報イベントも行われているが、その様子を伝える情報発信では「土木の魅力を伝える活動をしたこと」は伝わっても、「土木で働く魅力はほとんど伝わっていないなあ」という不満も感じていた。
岡部さんは、他の産業に比べ土木関係の情報発信が物足りない理由を、「発注者など土木関係者には、潜在的に自分の仕事を情報発信することに対する『抵抗感』があるから」だと分析する。
「みんなで作り上げたモノを自分だけの手柄のようにアピールするのは、いかがなものか」という配慮が、結果的に情報発信力を弱めているというわけだ。
岡部さんには「読者の共感を得られる情報を発信していかなければ、土木に対する理解や関心を高めることはできない」という思いが募っていった。
そこで、2013年8月、Facebookページ「土木のミリョク」を開設。「土木技術者の現場での仕事ぶり」に軸足を置いた情報発信を開始した。仲間とアイデアを出し合いながら、土木現場の写真や動画をアップしていった。「伝わること」に主眼を置き、投稿を重ねていった。
「土木のミリョク」で情報発信をしていく中で、「建築物の写真や情報はいっぱい出ているのに、なぜ土木構造物のモノは出ていないのだろう」という疑問が大きくなった。
岡部さんは「土木には完成した構造物を写真として残すという文化がないからだ」と考えるようになった。
単にキレイな写真ではなく、マニアックな土木情報を発信したい
土木の世界では、構造物を記録写真として残すことはあるが、「魅せる作品」として写真を撮ることは少ない。
「みんなで完成した土木構造物を愛でる活動ができないか」。そこから「土木写真部」の構想が生まれた。
土木現場写真の投稿は関係者に限られるが、完成した土木構造物であれば、「より幅広い人に参加してもらえるのではないか」という期待もあった。そこで2014年4月、新たにFacebookページ「土木写真部」を開設した。
土木写真部の部員は27名(2019年4月時点)。九州の土木技術者が中心だが、写真愛好家、ダムマニア、主婦なども名を連ねている。
また、土木写真部は土木構造物の写真を愛でるのが趣旨とはいえ、「土木技術者に対する関心も高めてもらいたい」という思いは捨て切れないものがあった。
そこで「単にキレイな風景写真」ではなく、例えば、橋梁構造の説明などのちょっと専門用語が入る「若干マニアックな情報」に軸足を置いた情報発信を行うことにしている。
岡部さんは「あれ?このページなんか違うぞ、というところを感じ取ってほしい」と話す。
また、土木写真部では一方的に情報発信するだけではなく、読者とのコミュニケーションを重視している。投稿にコメントが寄せられれば、投稿者が丁寧に答えることを徹底している。
土木に対する世間の関心の薄さの原因には、「一般の人達とのコミュニケーション不足がある」と考えているからだ。
建設は、まず「土木」からなんだ!
若い子たちには建築だけでなく是非土木の技術者を目指して欲しい。
土木写真部、素晴らしい!
ありのままを伝える、これって重要だ。
土木はそれがない。
施工の神様にはそれがあるから勢いがあるのだろう。
きれいごとばかりは、もう辞めにしようじゃないか。
土木写真部、いいね!
誰でも入部できるのかな?
写真の腕はないけど入ってみたい
こういう信念あったのですネ?
もっと目立って欲しいです。
こちらで連載してください!
知らなかった。
Facebook以外でのご活躍も期待します!
見られないから(笑)