ホームページのない建設会社は時代遅れ
建設会社もホームページを持っていることが当たり前の時代となった。
総務省の「平成29年 通信利用動向調査報告書(企業編)」によれば、自社ホームページを開設している建設会社の割合は96.8%。つまり、ホームページの無い建設会社は100社に3社しかない。
ホームページを開設している建設会社は、経営理念や事業内容などの情報を発信できるため、会社そのものの信頼・信用にもつながる。求職者にとってもホームページは大きな情報源になる。
一方、ホームページを開設していない建設会社は、それだけで潜在顧客や求職者の選択肢から外れ、営業機会も採用機会も無為に失っていることになる。
ホームページは、Webの専門知識がないと制作できないイメージがあるかもしれないが、最近では無料のホームページ制作ツールを使用することで、知識のない初心者でも簡単にデザイン性の高いホームページを制作できるようになってきている。
無料といえども、昔と比べるとデザインテンプレートも豊富で、PC用サイトとモバイル用サイトを別々に作る必要のないレスポンシブデザインや独自ドメインにも対応している無料のホームページ制作ツールも出てきている。
そこで、「ホームページは欲しいけど、知識も予算もない…」という中小建設会社・工務店向けに、自社でホームページを制作するときのポイントについてまとめていく。
ホームページの制作目的を明確にする
あなたの会社はなぜホームページを制作するのだろうか。
「ほかの建設業者はみんなホームページを持ってるから」と、会社概要が載っているだけのような、とりあえず制作したホームページでは反響はほとんどない。
それどころか、ホームページの制作には費用も時間も人員も掛かる分、本業にも悪い影響を及ぼしかねない。
まずは、ホームページを制作するのであれば、どうしてホームページを作るのか、制作したホームページで何をしたいのかをはっきりさせよう。
新規顧客や協力業者を獲得したいのか、採用力を強くしたいのか、企業プロモーションなのか。ホームページを活用することで解決したい経営課題があるはずだ。
建築、土木、設備、改修など会社の強みを押し出す
一口に「建設業」や「建設会社」と言っても、建設業法の許可業種は29種類もある。さらに、受注できる工事規模や得意としている施工も会社によってさまざまだ。
どの会社にも、建築工事や土木工事、設備工事、改修工事など、主力の業務がある。さらに「デザインが優れている」「周辺環境に配慮した工事を行っている」「小さな工事も請けている」など、自社の強みやアピールポイントもあるはずだ。
他社と差別化し、見込み客への訴求力を強めるために、あなたの会社の得意分野を中心にコンテンツを充実させよう。
さらに、自社のターゲット(所在地や年齢、所得層など)を細かくセグメントすれば、他社や大手の企業にはない強みが見えてくるはずだ。
ただし、あれもこれもと全てをカバーしようとすると、中途半端で特徴の見えないホームページになってしまうので注意が必要だ。
建設会社は地域性が重要。「地域名+業種」で検索上位を狙う
目的や強みが明確になったら、ホームページがターゲットに届くよう、SEO(検索エンジン最適化)にも注意しなければならない。
いくらコンテンツやデザインが素晴らしくても、そもそもホームページに人が来てくれなければ、問い合わせが増えることはないからだ。
中小建設会社は、その多くが地域に根差した地元密着型の企業だ。北海道の建設会社に、沖縄の顧客から問い合わせはないだろう。
そこで重要になるのが、「地域名+業種」のキーワードで検索上位になることだ。
地元密着型のビジネスである建設業は、「地域名+業種」の検索キーワードでホームページに訪れる人がほとんど。
つまり、地域名を含んだキーワードで上位表示されなければ、ホームページへのアクセスは見込めない。
たとえば「横浜市 外構工事」や「新宿区 解体工事」などで検索した時に上位に表示されるよう、ホームページを制作する段階から意識して作っていく必要がある。
あなたの会社の営業エリアと業種を主題にした文章や写真で、コンテンツ(原稿)を作っていこう。
「施工写真」「施工実績」にこだわる
建設会社のホームページに欠かせないのは、施工写真が載った「施工実績」のページだ。
とくに、工務店などのエンドユーザー向けに商品を販売している会社にとって、きれいな施工写真は見込み客へ施工品質を伝えるために不可欠となる。
中には、現場監督がスマホで撮影しただけの見栄えの悪い施工写真を掲載している建設会社のホームページもある。これでは、せっかくホームページに訪問してきた見込み客に品質や魅力が十分に伝わらない。
だからこそ、施工写真はお金を掛けてでもプロのカメラマンに撮影してもらうべきだ。
また、せっかくきれいな施工写真を上げていても、タイトルが「〇〇様邸」だけだったり、「施工事例」で一括りにしていてはもったいない。
施工写真のタイトルはSEO上も重要だ。最低限「工事内容+地域」はしっかり載せ、キーワードでの検索に対応できるタイトルにしたほうがいい。
たとえば、施工写真のタイトルを「〇〇マンション改修工事 横浜市中区」や「2世帯住宅 大阪市中央区」とすれば、各地名でのSEO効果も高まる。