ロボット導入による施工管理の破壊的イノベーション
ボストンダイナミックスが開発したようなロボットが建設現場に放たれることによって、大量の情報を関係者全員が一瞬にして共有できるようになれば、施工管理をしている職員にとって、なんとありがたいことか。
従来は施工会社の人間が施工管理のために現場巡視などを行い、毎日の打ち合わせで「あそこに何があって、どうなっていて」などとの打ち合わせをしていた。打ち合わせに必要な情報は、それぞれの職員が自分の目で見てきたものを言葉で共有していた。
それをロボットが複数台で一切休みも取らず、ずっと現場巡視しながら、その状況をつぶさに記録共有し、それらを統合データとして確認することができるようになれば、現場トラブルなどの状況を一瞬で把握できる。職員はそのトラブルをいち早く処理することが可能になる。
現時点ではまだ現場導入のロボットは、この域まで達してないが、それも時間の問題だと思われる。
このように、破壊的イノベーションとして投入されたロボットはあっという間に、improvementを実施してきた既存技術を一瞬にして凌駕してしまう。
これが破壊的イノベーションの凄さである。
i-Constructionの第二章
残念なことに、これが破壊的イノベーションだ! と現時点いえるものがあるかといえば、それはわからないのが実情である。破壊的イノベーションだと思っても、そうならないものも多いためである。
導入もしくは開発することで、破壊的イノベーションを起こすものが出てくるのが、i-Constructionの第二章ではないかと私は推察する。
あなたの周りをよく見渡してみよう。もしかしたら、すでにその破壊的イノベーションは足元に来ているかもしれない。いや、すでに気が付かぬうちに、入り込んでいて、気が付いていないだけかもしれない。
五感を研ぎ澄まし、今まさに建設業全体の時代の変わり目を楽しみながら乗り越えていく。破壊的イノベーションを自ら起こすくらいの勢いで仕事をする。この業界がさらに魅力的になり、仕事をしていて「楽しい」と思える業界にならんことを祈り、今回の連載を終えようと思う。
またどこかで会おう。今度は、私(沖田十三)に続き、乗組員の古代や島、徳川機関長などが新興メディア「施工の神様」に登場してくるだろう。