コンクリート吹付作業を遠隔操作
大成建設は、山岳トンネル工事で切羽(掘削面)でのコンクリート吹付作業に使用する遠隔操作技術「T-iROBO Remote Shotcreting」を開発した。
「T-iROBO Remote Shotcreting」は、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着した操作者が、HMDに映し出された切羽の映像を見ながら、遠隔操作でコンクリートの吹付作業ができる技術。
これまで、山岳トンネル工事におけるコンクリート吹付作業では、操作者が切羽近くに立ち、切羽への吹付仕上りの状況を目視で確認しながら、吹付機をリモコンで操作していた。
そのため、操作者は切羽からの土砂の崩落、吹付材の跳ね返り等による危険性やコンクリート吹付で発生する粉塵の影響などで作業効率が低下する可能性があった。
「T-iROBO Remote Shotcreting」では、肌落ちの危険がある切羽付近に近づく必要が無くなるため、吹付作業の安全性向上が期待される。
切羽での無人化施工を全国展開
「T-iROBO Remote Shotcreting」は、HMD、魚眼レンズ付きカメラ2台、カメラボックス、カメラボックスが移動可能な走行レール、LED投光器で構成される。
HMDと魚眼レンズ付きカメラ2台の組合せによって、吹付機操作者は切羽から十分離れた位置で、切羽近くに居るような遠近感・臨場感を持って吹付作業を行うことが可能に。
また、通常のカメラ単体では困難な吹付厚さの管理を行うことができる。
また、吹付機操作者は、座った姿勢でも操作が可能なため、操作者の身体的負担が軽減され、作業効率の向上も見込める。
大成建設は今後、この技術を全国の山岳トンネル工事に展開し、山岳トンネル工事での吹付作業の安全性向上と切羽での無人化施工を進めていく。