市民からの「ありがとう」が喜び
――市役所でのこれまでのお仕事を振り返っていただけますか?
馬場さん 市役所入りして今年で20年目ですが、最初は企画局(現政策局)の広域行政課というところで、地方分権や首長会議などを担当していました。
最初は「あれ?なんでこんなことをしているんだろう」と思っていました(笑)。当時は「ハテナマーク」がいっぱいでしたね(笑)。
――「こんなこと」?
馬場さん (笑)。イメージしていた道路や公園の仕事とは全然違っていたので。ただ、広域道路に関する業務もあったので、土木とまったく無関係というわけではありませんでした。全市的な視点でいろいろな事業を見ることができたので、今振り返ると、勉強になったと思っています。
その後は道路局が長いです。橋梁工事の設計、長寿命化計画の策定、道路の整備計画などを担当していました。区役所に配属になったこともあります。現場で地域の方々とお話するのはすごく楽しかったですね。今所属している企画課では、地域交通を充実させるための事業やバリアフリーの基本構想策定などの仕事を担当しています。
――一番印象に残っている仕事は?
馬場さん 一番長かった橋梁課での仕事が印象に残っていますね。自分で設計したり、工事発注した橋が架かると、「地図に載る仕事」をしたという感じがありました。一つの風景をつくれたと。小さな橋でしたが、地域の方々に「ありがとう」と言ってもらえると、嬉しかったですね。
江副さん 私は入庁12年目です。最初は都市整備局の企画課に配属されて、都市計画や再開発などのまちづくりの立ち上げの部分の仕事を担当しました。東部方面線という新しい鉄道計画があって、羽沢横浜国大駅というJRと相模鉄道の新しい駅をつくることになっていました。今年11月に開業する予定です。
実は、この駅の建設に伴うまちづくりの検討を、大学院生のころフィールドワークとしてやっていて、まちづくりに関する研究成果を横浜市役所に提案したりしていました。最初の配属先がこの駅周辺のまちづくりを担当する部署で、大学院でやっていた研究を引き続き仕事として担当させてもらったことは、今でもすごくありがたい思い出です。
その後、道路局では来年3月に開通する横浜環状北西線の事業スタートに関わりました。「北西線をやりたい」と思って希望を出したところ、担当にしていただけて、道路の設計や積算、発注などを行いました。その後、今年の3月までの2年間は、国土交通省の都市局に出向していました。今は横浜駅やみなとみらいなどがある西区の土木事務所にいます。
土木事務所がインターンを受け入れる意味はある?
――お互い聞きたいことはありますか?
江副さん 佐藤さんのように、インターンをきっかけに「土木事務所に入りたい」と言って市役所に入った人がいるのを知って、今とても感動しています(笑)。
実は、未だに「土木のイメージって学生に伝わってないなあ」と思っていて、土木事務所でインターンを受け入れる意味があるのか不安に思っていたので。
佐藤さん 私、変わり者なんですかね(笑)。
江副さん いやいや、ありがたいです(笑)。
――佐藤さんはまだ入庁して1年半ぐらいですよね。
佐藤さん そうです。土木事務所で維持管理の仕事をしたかったんですけど、残念ながら、建設課に配属になりました(笑)。心を入れ替えて、今はつくる仕事を頑張っていて、道路の設計と工事を両方担当しています。工事を発注すると、土木事務所の方が監督をしてくださるので、土木事務所との関わりもあります。
――「心の入れ替え」が必要だった?
佐藤さん 正直最初はガクッときました(笑)。必ず土木事務所配属になるとは限らないと理解はしていたんですが、建設課配属の辞令を渡されて、「頑張ってください」と言われたのですが、正直「え!?どこ?」と思いました。
――同期は何人ぐらい?
佐藤さん 土木職で60名ぐらいですね。社会人採用はまた別にいます。
――結構採用しているんですね。当然、土木事務所配属になった同期は何人もいるわけだ。
佐藤さん そうですね。希望した配属先に行けなかった子も何人かいたので、踏ん切りはつきましたけど。
――大学の友達とかと仕事の話はします?
佐藤さん 一から説明しないとなかなか理解してもらえないですね。ただ、詳しく説明しても、ポカンとされるのは目に見えているので(笑)、「最近は道路の図面を見たりしてるよ」ぐらいで、なるべく熱中して話さないよう、相手の質問に対して軽めに答えるようにしています。
選んでられません発作