街着に使い回したいおしゃれ感
素材へのこだわり、現場でおしゃれに、普段着としても使い回したいクオリティ。アップテンポのロックミュージックをBGM に、MC がモデルと作業服について、大阪らしい、笑いもまじえたハイテンションで紹介していく。
これは多ポケット、いわゆる「着るカバン」系だ。ポケットの中から次々とモノを取り出して見せる。ポケットは11 ヵ所もあった。タブレット端末まで出てきて、会場からは感嘆の声があがる。
年々上がってくる気温。熱中症のリスクは、場合によっては命の危険にもつながりかねない。まだまだ暑い令和1 年の9 月。猛暑下の現場で多く採用されている電動ファン付きウェアが登場した。作業服に扇風機を内蔵させ、作業服の中を風が駆け巡り、気化熱が涼しくするという逸品だ。
モデル本人のインタビューでは「とにかく驚きの涼しさ」ということだった。「もう水道水をがぶ飲みしなくていいんだ!」という、現場系男子のよろこびの声が聞こえてきそうだ。
一般の方に向けて、ニッカーボッカーズの基本的な特長の紹介もあった。「裾が邪魔にならない」「足を動かしやすい」「バランスが取りやすい」などの説明を聞いて、来場者が頷いていた。
やる気アップで、作業効率もアップ?
会場では「着てみたい」「仕事がはかどりそう」と、建設業界内外を問わず、評判上々の声が聞かれた。手に職をつけたモノづくりの職人が、若者にとってのあこがれの職業になるための取り組みの一つ。作業服のファッション性は、大きな要素かもしれない。「暑い時は涼しく」「寒い時は暖かく」「危険から身を守る」に加えて「カッコよく」がこれからの作業服の必要条件だ。
若い職人だけではなく、いぶし銀のダンディも、職歴50 年の匠も、一人ひとりがスタイリッシュにキメるべき時代だ。本人もやる気がわいて、作業効率もアップするかもしれない。作業服のファッション性、機能性を通じて「働き方改革」にもつながる。華やかなステージの向こうに建設業界の明るい未来が見えた。
そして、やはり印象的なのは人だ。若い職人たちのステージ上のさわやかな笑顔が、「キタない、コワい」が過去のイメージであることを雄弁に物語っていたことを付け加えたい。