「現場を”観る”クセ」が、現場仕事のすべての始まり
――社員さんにとっても勉強になる現場ではないですか?
北沢さん これだけ大きな現場になると、「どこを観るか」が重要になります。「見る」ではなく、「観る」ですね。どこに注意するかということです。今ウチの現場には、若手を含め7名の社員がいますが、若手には多分わからないと思います。
僕は若い社員に対して、「あそこはどう?」、「ここはどう?」と質問することにしています。若い社員には「観る目」を持ってほしいからです。土木技術者にとって、いちばん重要なのは「観る力」だからです。安全、品質管理などすべてに必要な能力だと思っています。その後、細かいことを教えていくことにしています。
まずは「現場を観るクセ」をつけること。これが現場仕事のすべての始まりになります。
設計などの部署だと、「観るクセ」はつかないと思います。でも、現場仕事ってそういうことなんですよ。例えば、パッと見て「あ、おかしいな」と気づかないと、ダメなんです。僕自身、会社に入ってからずっとそうやってきましたし、若い社員にもそれを教え込んでいるところです。
地元の方々からの「ありがとう」が一番心にしみる
――北沢さんはダムが長かったのですか?
北沢さん 僕は熊谷組に入って34年目ですが、最初は神戸の須磨の土取りの現場でした。その後、造成、トンネルを経て、ダムの現場に行きました。奈良の大滝ダム、岐阜の徳山ダム、島根の笹倉ダム、大分の大山ダムなどをやりました。それで今の砂防の現場に来た感じですね。
――仕事のやりがいを感じるときはどういうときですか?
北沢さん 仕事のやりがいは、地元の方々から「ありがとう」と言われることですね。今の現場は震災復旧の仕事なので、「ありがとう」と言われることが多いんです。
大山ダムをやっていたときに、大雨が降ってダムが満水になったんです。その7年ほど前にも大雨が降って、ダム下流の支流で被害が出ていました。もし大山ダムがなかったら、また被害が出ていた可能性が高かったのですが、ダムのおかげで被害が出なかったわけです。地元の方々から「ありがとね〜、北沢さん」と言われたのですが、「この仕事やって良かったな」と思いました。
僕らの仕事は、国民、地域の皆さんのための仕事ですからね。自分のためではなく、皆さんのためにやっているという使命感でやっているんです。だから、地元の方々に「ありがとう」と言われるのが、一番心にしみるんですよ。
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大型台風は今後も来るだろうから、ダムはまだ必要だな。
大変なお仕事ですよね…
災害から命や自然をも護る為にも必要です。
作業されている方々には感謝の念しかありません。皆様お身体に気を付けて頑張ってください!!