「全額国費による早期整備」は実現可能か?
「全額国費で全国に新幹線ネットワークを早期に整備すべきだ」と主張する人がいる。参議院議員(京都府選挙区)で自由民主党所属の西田昌司さんだ。
西田議員は、国家財政などに関する論客として知られるが、与党の北陸新幹線(敦賀〜新大阪)の整備検討委員会(委員長)、自民党の整備新幹線等鉄道調査会下の「鉄道のこれからを考えるPT」(座長)などに名を連ねる「新幹線ツウ」という顔も持つ。
日本の新幹線には、基本計画があっても一向に動かない路線が多い。やっと工事に着手した路線でも、地元で揉めごとが絶えないといった調子で、先行きの不透明感がハンパない。そんな状況にも関わらず、西田議員が主張する「全額国費による早期整備」は本当に可能なのか。具体的な戦略はあるのか。JRのあり方を含め、西田議員に話を聞いてきた。
法律的な制度改正も重要ですね。
建設の仕方として、局所的な新線建設を積み重ね、ある程度まとまった区間が繋がった時点でフル規格新幹線に切り替える、という手法も必要ではありませんか。
なぜなら、今の整備新幹線はまとまった区間で建設するありかたになっており、それもまた全国的な整備・建設の支障になっていると考えられるからです。高速道路のように局所的な建設を積み重ね最終的に全線開通させる、という手法を新幹線でも行なうべきです。
その局所的な新線建設をしている期間はいわゆる「スーパー特急方式」で暫定的に運行。但し、そのスーパー特急方式も狭軌在来線車両では時速200km運転は難しいという話を聞いたことがありますので、およそ時速170kmくらいの運転を認める。場合によっては「新幹線」の法律的な定義を「時速170km以上で運行する鉄道」に変更することも必要だと考えます。