コスト削減には、足場や現場事務所のムダを省くべき
――コストはどう削減していくべき?
阿部 吉雄氏 全国で仕事をさせていただいて感じることですが、関東地方は、元請け会社と職人の間に入って手数料をピンハネする人が多すぎますね。どの地域にもブローカーはいますが、関東圏は特に多い。これは関東圏で深く根付いた商習慣だと思うのですが、それがコスト高の要因になっています。
コストが上がっても、品質が向上すれば良いのですが、現実はそうなっていません。工事もしない、検査もしない、いなくても何の影響もない、そんな中抜き業者を減らすことがコスト削減への近道だと思います。
また、顧客の視点から見れば工事が終わった後に建物の資産価値が向上することが望ましいですから、資産として残らないものにお金をつぎ込むことは避けたほうがいいと思います。
具体的に言いますと、まず足場です。安全に関する諸法規を遵守することはもちろんですが、それ以上にピカピカの足場を組む必要はありません。ところがオーバースペックな足場にこだわる施工会社が多いのが実情です。
例えると、法令を遵守した80点の足場でいいにもかかわらず、100点満点どころか120点の足場を設置して、安全への留意を誇っている施工会社があります。
もちろん安全配慮は大切なことですが、120点の足場の設置は施工会社の自己満足に過ぎませんし、80点を120点にするには相当なコストがかかりますが、その費用は顧客が負担しています。顧客負担で自己満足の足場を組んでいるわけですから、ひどい話ですね。
同じお金を使うのであれば、工事後に建物の付加価値が上がるようなワンランク上の塗装材や防水材に仕様を変更したほうが、よっぽどマンションの住民にとって利益になるのではないでしょうか。
もう一つのコストカットの具体例は、現場事務所などの共通仮設です。夏場は熱中症対策としてエアコンは必要ですが、共通仮設の費用を300~400万円もかけて贅沢する必要はありません。
現場事務所などの共通仮設も足場と同じく工事が完了すればなくなりますから、共通仮設についても無駄を極力削減すれば、工事自体のコストを大きくカットできます。
――今後はコスパの最適化が求められますね。
阿部 吉雄氏 そもそも大規模修繕工事を「今そのタイミングで」する必要が本当にあるのかという問題もあります。建築後12年経ったからやらなくてはならない、15年後では遅すぎるという意見もありますが、建物によって劣化の度合いが違います。
幹線道路沿いで振動が多ければ劣化しやすいですし、逆に日当たりの少ない閑静な住宅街の建築物は劣化しにくいです。もちろん新築の施工精度も影響します。ですから、工事をする前に建物の劣化状況を正確に調査することが大切です。
調査の結果、たとえば、南面と西面の高層階は劣化が激しいが、東面と北面は劣化が小さいという場合もあり、その場合に、東面と北面の工事を今すぐに行うべきかどうかは、マンションの管理組合が決めるべき問題です。
ところが「談合グループ」によって「全面の改修がすぐに必要」であるような報告書を見せられ、誘導されるケースが多いのが実情なのです。
予算は無限にあるわけではありませんから、無駄なものは排除するなど節約して、資産の有効活用をはかることはとても大切なことではないでしょうか。
管理会社からの陰湿な入札妨害
――タブーに触れていきますが、談合の実態は?
阿部 吉雄氏 私は『大規模修繕工事を必ず成功させる本』(幻冬舎)を執筆しましたが、本を読んだマンションの理事の方から工事の依頼や見積もり依頼が直接くることがあります。
その一方で、管理会社や設計事務所などから妨害が入ることもあります。弊社に対する悪口、たとえば弊社の資本金は8,000万円ですが、「あの会社は10万円しかない」など、嘘の情報を管理組合に吹聴されることなんて珍しくありません。
マンションの理事会から書類提出を求められることもありますが、管理会社の妨害で提出期限に間に合わないタイミングで打診されることもあります。「とても間に合わない」と連絡すると、管理会社は理事会に「辞退しました」と伝えてしまう。弊社から「辞退する」など一言も発していないのに・・・。
当社が排除されると「談合グループ」の関係者から「わかったか? お客様からの直接の紹介で参加してもこうなるんや。業界にはルールがあるんやからワシらを通さんかったら受注するのは無理やで。ウチの下請けで、紹介料や手数料を払わな工事なんてできるわけがないんや」などと言われたこともありますね。
結局、マンションの大規模修繕工事は、管理会社やコンサルタントなどの「談合グループ」が既得権益を守るために、新規参入業者を妨害しているケースが非常に多いように感じます。もちろん全部というわけではありませんが。
――今後も談合は無くならない?
阿部 吉雄氏 私は、無くならないと思っています。「談合グループ」が受注までの大きな流れを作りますから、談合によって価格が高騰すると分かっていても、流れに逆らうことは大きなエネルギーが必要ですし、それに個人のお金のムダ遣いではなくマンション全体のムダ遣いなので、なかなか危機感が高まらない印象を受けます。
大規模修繕工事には適正な価格が存在しますが、談合が行われると「適正価格」よりも3割から4割、ひどい時で2倍とか3倍もの価格に高騰します。特に関東圏や関西圏などの都市部に見られる傾向ですが、一部の管理会社・コンサルタント・施工会社などの「談合グループ」が結託して権謀述数をめぐらせているからです。
もちろん、高い工事価格を支出しても微動だにしないほど潤沢な予算のあるマンションであれば問題はありませんが、多くのマンションではギリギリの予算の中で長期修繕計画を立てていますから、今は良くても次とかその次の大規模修繕工事では予算が足りないという事態が発生するのです。
いつの日か「このままではまずい。修繕積立金が上がり、資産価値も落ちる」ということに直面し、このまま管理会社や設計事務所、コンサルタントなどの「談合グループ」に搾取されていては、とんでもないことになる、と多くの人が危機感を抱くようになれば、山が動くような気がします。
まずは、マンションの大規模修繕工事の世界には、未だに談合が存在し、工事に関係する多くの利害関係者が、修繕積立金を虎視淡々と狙っているという実態を広く知っていただけたらいいですね。
マンションの入居者は管理会社に管理を委託しているわけで、その管理会社の責任の元修繕計画や施工業者の選定を行うわけだから、それを談合と言うのは違う気がする。
入居者は管理費が高いと感じたら出て行くなりそもそも入居しないなりの対抗手段があるわけで、予算が合わなくて困るのはどちらかと言うと管理会社
管理費や修繕積立金は分譲時には安く設定されているのがほとんど。
嫌なら出ていく、なんてそう簡単に決断できない人がほとんど。
かつ、出ていけばいいや、と思ってる人が住んでると民度が低くなる。
ホテル住まいと勘違いしてる人がいる限り、管理会社への依存や期待や情にまみれて怠惰になり、自分達の目で工事も日々の管理も見極めようとしなくなる。
真面目な管理会社もあろうし、疑ってばかりでも仕方ないけど
見積もりくらいは自分達で発注したらよいだけだわ。
「マンションの大規模修繕工事では、居住者が食い物にされている」
2025年公取委による談合調査が始まりました。
数年先に修繕工事を予定していますが、以前修繕工事を実施した工事業者名が調査対象になって困ったものです。
大修繕工事をするときは建物診断が基本です、建物診断を基本に入札をすべきです、建物診断はコンストラクションマネージャーがすることが基本です
もう少しで可決されてしまう・・・困ってます。
これって談合グループを逮捕しないと終わらないのかなぁ。
施工管理をしているものです。
わかる話ではあるけど、足場の話はどうかなと思う。
やはり足場関係は事故も多いですし、120点でも安全が保証されるならそれでもいいんじゃないでしょうか?
足場の議論が白熱しているのが面白い。
合格ラインが80点。
100点満点でも120点でもダメって意見もあるけれど、
じゃあ何点ならいいんだろう?
200点? 400点?
その足場を設置するのに、どれだけの時間がかかるのだろう?
費用は?
「安全」第一は当然だと思う。
だけど、工期は永遠じゃないし、予算も青天井でもない。
その問題はどう解決するの?
工期と予算以外に、別の問題もある。
「安全」に配慮しすぎると、トビ職は手間がかかって大変。
1つの現場にトビ職を大量動員すると、
市場全体でトビ職の確保が難しくなる。
そうなると、トビ職をどうやって確保する?
もっと外国人を増やす?
未経験者を教育する?
万が一、トビ職を増やすことができたとしても
外国人と未経験者が増えるなら、
「安全」は向上するの?
結局、合格ラインの足場か、
合格ライン以上の足場かの問題って
業界全体の職人不足の問題に辿り着くように思う。
枝葉の話でツッコミを入れるよりも
大局を見た方がいいように感じる。
建設業界の人手不足は、大きな危機だと思う。
枝葉を見て足を引っ張り合うよりも、
知恵を絞りあって協力した方が、
世の中にプラスになるような気がする。
東京の大型タワーマンに住んで、いくつか持って築11年を迎え、大規模修繕工事を考えてます。ポイントは足場ですが
ゴンドラは窓の掃除以外で修繕工事でもある程度は使えます。工期に制限がないので組まなくてもある程度出来そうな気がしますがどうなんでしょ!六ヶ月かかるとこを3年かけてやればと素人は思います。
実名で告白って、著書の宣伝かい。
先のコメントにもあったけど、足場の話等は、正直間違いだと思うし、80点じゃだめでしょ。
内容を読んで実務業務をした事のないデスクワーク屋さんかと見受けれらます。
誰でも参加出来るように誰でも同じ品質を提供できるレベルの設計を要求します。大規模修繕するのに施工責任は重いですが当初の設計にない事を要求される事が多いからです。法的にも設計って責任ないんだよね~
事前調査があっての施工なので施工のコストは事前調査次第って事をご理解ください
この社長のことは知っている。
デスクワーク屋さんという人はいないと思う。
200万以下の仕事は自分で段取りして納めていると聞く。
年に20現場程度らしいが・・・。
それ以外に営業もして、現場管理もして、職人の育成も
しているわけだから、この人の指摘は的外れだと思う。
誰でも参加できるとか、誰でも同じ品質とか
それって理想だけど、現実的じゃない気がする。
現場作業員ですが、安全を軽視していることは分かりました。私は、「安全にはお金がかかるもの」と思ってます(限界はあります)。80点でも良いのに、ということは、20点分の不備が有るということになります。安くするは良い事でしょうが、建築だろうと修繕だろうと安全は100点以上ぐらいがちょうど良いと思います。
とりあえず、あんまりよくなさそうな会社なのはわかった。
職人もペーペーしかいなさそうだしな・・・
安全を軽視してる時点でアウトっしょ
この社長のことは知っている。
デスクワーク屋さんという人はいないと思う。
200万以下の仕事は自分で段取りして納めていると聞く。
年に20現場程度らしいが・・・。
それ以外に営業もして、現場管理もして、職人の育成も
しているわけだから、この人の指摘は的外れだと思う。
誰でも参加できるとか、誰でも同じ品質とか
それって理想だけど、現実的じゃない気がする。