伊豆急行線、田園都市線でインフラドクター実証実験
大石(施工の神様ライター)
森さん(東急)
それから、インフラドクターの鉄道版、空港版のテスト開発が始まりました。当社には、伊豆急行などのグループ会社があり、それぞれの会社でもインフラ点検には苦労していました。
大石(施工の神様ライター)
森さん(東急)
伊豆急行線の実証実験では、計測車両を鉄道台車に載せて正確なデータが取れるかということや、データをどう活用するかなどについて、ニーズをヒアリングしながら、開発を進めていきました。
現在、実証実験した結果をもとに、新しい検査方法について伊豆急行と話し合いをしているところです。伊豆急行では、20年に1回の特別全般検査というトンネルの詳細な検査を実施していますが、2020年度に実施を予定しているこの検査にインフラドクターを応用できないか検討しています。
森さん(東急)
この見える化により、状態の悪い場所をある程度絞り込むことができます。それまでは、トンネル内全体をくまなく叩いて検査していました。
現状では、コンクリートを叩く作業は、どうしても人手に頼らざるを得ませんが、打音作業箇所の絞り込みや図面の作成などは、インフラドクターに任せることができるので、業務の効率化が期待できます。
大石(施工の神様ライター)
岩瀬さん(東急)
田園都市線では、レーザー角度などを再設定することで、鉄道の構造物をよりクリアに取得することができました。
トンネル以外の区間は照明を落として実験を行いましたが、点群データは照度に関係なく取得できるため、十分なデータがとれました。
長倉さん(東急電鉄)
大石(施工の神様ライター)
森さん(東急)
点群データの活用方法はたくさんあるので、点検だけでなく、工事計画などにも活用したいと考えています。架線などの電気設備は、もともと図面がありません。点群データをとれば、これまで個別に設置し、管理していたものが、土木構造物と一緒に一元的に管理することができるようになります。
東急は静岡県と点群の利活用に関する協定を結んでおり、東急として、静岡県が取得した伊豆急行沿線の点群データも活用できることになっています。
沿線でガケ崩れなどの異常自体が発生した場合には、点群データを解析することで、その規模や範囲を確認することができますし、事前にどの場所が危ないという予測もできるようになります。異常事態への対応にも活用したいと考えているところです。