宮大工さんが「BIMは面白いねえ」
――BIMのメリットには、どういうものがありますか?
林さん BIMを活用し3Dデータのモデルをつくることによって、2次元の図面では人によって認識レベルが異なるところを埋め、チーム全員が同じ認識のもと、プロジェクトを進めることができるようになったことですね。
私自身は、伝統木造建築物の復元プロジェクトに携わるのは初めてですが、弊社プロジェクトチームには経験者が何人もいますし、社外から宮大工さんなどの職人さんなども参画していただいています。
宮大工さんは、2次元の図面で構造を理解できますが、私はすぐには理解できません。そもそも、名古屋城天守閣のような巨大な木造建築物の設計図を2次元で描いた人は、今はいません。
私にとって印象的だったのは、宮大工さんが、BIMのモデリング作業の様子を見て、「これ面白いね」と興味深そうにご覧になっていたことです。
宮大工さんと言えば、「3次元なんか使わねえよ」という伝統技術にこだわる職人的なイメージがあったのですが、実際には「使える技術はドンドン取り入れる」という柔軟なお考えをお持ちなのです。「BIMをやって良かった」と確信しました。
ダンパー設置などで耐震性確保
――木造ということで、難しいところはありますか?
片庭さん 現代的な技術には、設計業務の中で使う技術と実際の建造物に組み込む技術があります。木造だから特別な技術を使うということではなく、弊社が培ってきたいろいろな分野の最新技術を適用するというスタンスでいます。
耐震については、今ある最新の技術を組み込んでいるほか、防災に関しても同様で、避難路の確保や安全のための照明の設置を行います。
その一方で、史実に忠実な再現のため、木の組み方や部材形状などの昔のカタチの検証は徹底的に突き詰めています。
耐震や防災に関する最新技術を取り入れながらも、どれだけ控えめに、誰にも気づかれないようにいかに作り込んでいくかに腐心しているところです。
――耐震性の確保はどうなっていますか?
飯田さん 往時の天守閣は、築城してから1945年に焼失する前までの約300年の間に、宝永や安政東海、濃尾、昭和東南海などいくつかの大きな地震を経験しています。
その際に地震による損傷はあったと思いますが、倒壊は免れてきました。江戸時代の建造物としては、高い耐震性能を有していたと言えます。
天守閣の復元を行うに際し、往時の天守閣が持つ耐震性能を確認する必要がありました。そこで、天守閣を構成する柱、梁の仕口部分の加力実験を行いました。
外壁の土壁についても、伝統建築の協力会社さんに依頼し、幅2m、高さ6mの実物大の土壁をつくり、その耐震性能を検証しました。
これらの検証の結果、往時の天守閣が持つ耐震性能がかなり解明され、現代の建造物に比べると、柔らかい建造物だということがわかりました。天守閣は、高層ビルなどと同様に、地震が起きると、大きく揺れることで地震によるチカラをいなして倒壊を免れてきたわけです。
ただ、現代の建築基準法で求められる耐震性能を満たしているというわけではありません。したがって、補強が必要になります。
天守閣の耐震補強を行う場合、文化財における補強と同様、取外し可能な部材で補強すること、外観に影響を与えないことなどの制約があります。
これらを考慮し、耐震補強の手法について、検討を重ねてきました。その中で出てきた一つの手法が、制震ダンパーによる補強です。
制震ダンパーの設置については、最終的には有識者会議にてご相談の上決める必要があるので、具体的にどこにどのような制震ダンパーを設置するかは決まっていませんが、当社としては、今のところ制震ダンパーを設置する方針が最善と考えています。
――石垣保全についてはどうでしょうか?
片庭さん 石垣の保全については、われわれの当初の技術提案の中でも対策を盛り込んでいましたが、工期というシバリがあったので、われわれが提案できる対策も限定的にならざるをえないところがありました。
その後、石垣に関する調査が行われ、新たな対策が必要だということが判明しました。名古屋市でも「石垣ファースト」という方針を打ち出しています。われわれとしても、石垣保全に関して、新たな様々な対策を講じることができると考えており、その検討を始めているところです。
必ず木造再建を果たして欲しい。勿論エレベーター無しで。その前に今の天守閣を解体して欲しい。
地元中小企業の現場管理です。
お城の建て替えなんて夢のまた夢様な工事羨ましいです。
ぜひ昔ながらの木造建築でお願いします(耐震は必須ですが)
無駄なEVなんて要りませんよ、振興協会の人もしくは籠やみたいな運営をハンディキャップ、外国人向けで事業を展開すれば事足りると思います。
復元ですからエレベーターは要りません。