AutoCADオペレーターの「転職成功」の秘訣
―― 今、AutoCADオペレーターの派遣社員は、引く手あまただと思いますが、派遣会社を選ぶポイントなどはありますか?
齋藤 女性は転勤が難しいという理由でなかなか正社員になれませんでしたが、今の派遣会社は正社員雇用した上で、ゼネコンの現場に派遣される仕組みのため、いつも守られている安心感があります。
会社のサポート担当者が現場まで定期訪問してくれて、例えば残業時間といった現場の状況を必ずヒアリングしてくれるので、不安なことや今後の将来のキャリアのことも相談できます。
―― 転職に悩んでいるCADオペレーターの方々に、斎藤さんから何かアドバイスはありますか?
齋藤 おそらく皆さんも仕事に充実感を得られない時や、職場の人間関係で悩んだ場合に、転職を検討すると思いますが、転職の時期を見極めるのはとても難しいと思います。転職にあたっては、まずはどうして転職したいのかを自分の中で理由を明確にすることが大事だと思います。
転職してどうなりたいのか、どんな実務経験を積んできて、どんな技術をもっているのか、持っている資格は何か、5年先10年先に、自分がどうなっていたいかを想像してみると、答えが見つかりやすいかもしれないですね。臆病になりすぎず、未来への扉を開けて欲しいと思います。派遣会社を変えるだけでも、随分と世界や待遇が良くなるものです。
女性AutoCADオペレーターが見た建設業界
―― ところで、斎藤さんが建設業界に転職した当初、この業界はどんな印象でしたか?
齋藤 入る前は建設業というと男性ばかりのイメージでしたが、いざ業界内に入ってみると、女性の現場監督も複数名が活躍されていて驚いたのを覚えています。女性も建設現場にいるのだと。男性に混ざって、ヘルメットを被り安全帯を装着している姿はとても凛々しく素敵でした。
それから、常に危険を伴う仕事を共にしているせいか、現場の絆がとても強いです。所属会社や職種など関係なく、一人ひとりが仲間を気遣いあっている感じです。
最近は女性のCADオペレーターも増えてきている印象ですが、他業界に比べると、まだまだ多いと言うほどではありません。私の周囲では、設計業務ですと男性のほうが圧倒的に多いのが現状です。
―― 最近、建設業界で働く女性技術者を「けんせつ小町」と呼んで、官民一体となって建設業界の女性就業者を増やそうとしていますが、女性AutoCADオペレーターとして、このような運動をどう思いますか?
齋藤 とても良いことだと思います。女性がいることで、建設現場の雰囲気がソフトになります。昔ながらの、怒声が飛び交う荒々しい現場の時代はもう終わりだと思います。そういう職場のイメージのせいで、建設業に就きたいと思う若者が少ないという現実もあると思います。
AutoCAD、CADwe”llTfas、3DCAD、CADオペレーターの将来像
―― 一口にCADと言っても、AutoCADを筆頭に、Jw_CAD1、CADwe’llTfas、3DCADなど様々な種類があります。斎藤さんはパソコンインストラクターの経験もあるなどPC関連に精通していますが、AutoCAD以外にも操作できるCADソフトはありますか?
齋藤 CADwe”llTfasは、衛生配管図設計やプロット図作成等で使用していました。総合図から建築・空調・衛生・電気の取り合いのチェックや衛生器具の納まり確認です。CADwe’llTfasとAutoCADの一番大きな違いは、レイヤーの使い方だと思います。建築の総合図(重ね図)を作成するには、CADwe’llTfasのほうが便利だと思います。
―― 最近は、3DCADなども登場していますが、将来のCADオペレーターの働き方はどうなると予想しますか?
齋藤 CADオペレーターという特別枠は、なくなるかもしれませんね。CADソフトは、もっと使いやすく誰でも扱えるように馴染んでいくでしょうから。今後は、CADオペレーターも専門知識を必要とする設計寄りの働き方がメインになるのではないでしょうか。実際現場で作業をしていると、土木建築の知識がかなり要求されます。日々、勉強です。
―― 斎藤さんご自身、これからAutoCADオペレーターとして、どう成長したいですか?
齋藤 もっとAutoCADスキルを上げることはもちろん、もう一歩踏み込んで測量や設計の勉強もしたいと思っています。トレースのスピードは、正直に言って若い人にはかないません。その代わり、これまでの経験から学んだことをCADオペレーターを目指す人に限らず、これから社会で活躍していく若い人達に伝えて役立ててもらえたらいいなと思っています。
―― 最後に、これから建設関係のCADオペレーターになろうとしている方に、アドバイスをお願いします。
齋藤 まずは、どのCADソフトでもいいので実際に触って図面の描き方を知ることだと思います。現場で学ぶことも多くありますが、ある程度図面が描けないと現場で使い物になりません。現場では、派遣社員=即戦力です。私も最初の頃は、独学とeラーニングでAuto CADを学びました。
周囲との連携を常に意識して、業務を円滑に進められるAutoCADオペレーターが、もっと増えることを願っています。そして女性AutoCADオペレーターがもっと建設業界に増えれば嬉しいですね。
―― ありがとうございました。
※これは2016年10月の取材記事です。
[PR] CADオペレーターの人気求人特集(提供:施工管理求人ナビ)
脚注
人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!
「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、
こちらからお気軽にお問い合わせください。
>建設現場での仕事はチームプレーでたくさんにうじぇbb、常に全体を意識して作業しています。
「にうじぇbb」誤字ではないでしょうか。
施工の神様編集部です。ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
このような記事を掲載いただき、ありがとうございます。一つの目標が出来ました。とても心強いです。