机上ではなく、実際の点検実務を積むこと
――PC橋梁の点検診断に関するノウハウはどのよう身につけていけば良いのでしょうか。
下大迫さん 私の場合は、やはり実際にPC橋梁の施工に携わってきた経験があることが大きいと思っています。コンクリートが硬化する前の状態や桁の内部の構造などを熟知しているので、だからこそわかる損傷というものもあるんです。例えば、下から橋を見ると、アナが空いている場合、経験がない人は「アナが空いているからマズイ」と考えてしまいます。ただ、橋をつくってきた人間から見れば、「足場などをぶら下げたアナで、構造的には問題ない」ということがわかるわけです。
基本的なことですが、国土交通省の点検要領に示されている26項目の点検項目をしっかり理解した上で、経験を積んだ人と一緒に、実際の点検実務を積むことです。そして、分からないことや疑問に思ったことは、その都度聞いていくこと。机上だけではあまり身につきません。
――今後のご自身のキャリアをどうお考えですか。
下大迫さん 自宅が名古屋なので、名古屋での仕事受注を増やして、名古屋支店を立ち上げて、自分がそこに行きたいという思いがあります(笑)。自分のスキルアップとしては、若手社員の指導をしながら、技術士の資格を取りたいと思っています。
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インフラ長寿命化を国が大々的に謳っているにもかかわらず、結局すべてを業者に発注する形態は変わらないのが現状
そのような状況で、役所の担当者のスキルが上がるわけはないだろうし、修繕を含めた計画など立案できないだろう。
現実は本当に厳しいです。