建築現場よりもはるかに多い危険要素
本来は、作業員の全員が危険予知活動表の内容を理解し、危険な点を注意しながら作業するようにしなければ、危険予知にならない。
特に、私がいた現場は、通常の建築の現場に比べれば、はるかに危険要素が多かった。そもそも、最高高さ80mの床の8割がグレーチングで覆われ、場所によっては、最上階から1階まで全ての階が繋がっており、上下作業になっていた。
プラントの特性上、構造体は鉄骨、床はグレーチングもしくは縞鋼板になっている。グレーチングは、鉄骨のフランジに専用の止め金具で止められているが、ボルトで締め付けられているので所々緩んでいる箇所もあった。
1箇所や2箇所くらい仮に外れても、グレーチング床が滑って動くことはないが、怖いのはグレーチングの角が浮き上がって、床に段差が出来ていたことだ。
また、部分的に鋼鈑を溶接で鉄骨に固定しているが、製作してきた寸法と現場寸法が合わず、それを無理矢理 溶接するので、所々歪みが出て、表面が平らではなく波を打っている場所もあった。
つまり、プラントの至る所で床が平らじゃない!場合によっては、つまづき転倒の原因になる。非常に危険だ!しかし、危険な場所はそれだけじゃなかった。
天井付近からは、おびただしい数の溶接用、電灯用のキャプタイヤが垂れ下がり、足場の盛替えの度に行き場を失い、床面近くまで垂れ下がっているのを、何とか床転がしにならないように上部鉄骨より吊っていた。
また、安全通路には、これから各種機械配管に巻かれる保温材と、その表面に巻かれる亜鉛鉄板の束が、左右の手すりに針金で括り付けられていた。場所がなく、しかも材料がかさばるため止むを得ないことだが、安全通路としては全く機能していなかった。
材料を縛ってある針金が、番線のように太くないので、見た目には全く見えず、脚に絡まり、最悪つまずくことさえ考えられる。
そんなわけで、作業員が場内を歩く時は、あたかも小学生に言うように「しっかり前を見て、下や上を見て歩きましょう!」などと言わなくてはならなかった。
現場(作業場所)の不備を組の無能管理棚に上げてKYKだけで業者に投げたらだめでしょ。
掲示場所すら分かりにくい、若しくは朝礼を適当に行っている結果ではないのでしょうか。
黒板を持ち込んで本当にKYしている会社ならともかく、実際は下っ端がひとりで書いてるのが殆どでしょう?
まったく意味はないと思いますね