30年間まったく更新されていない給水管
まずは竣工図面を確認すると、電話がかかってきた〇〇科の建屋周辺の給水管は”樹枝状配管”で整備されていました。また、台帳を確認すると”CIP”と記載がありました。なんと”普通鋳鉄管”が使用されています。維持管理台帳を見ても記録がないので、整備された昭和50年頃に整備されてから全く更新されていないようです。
しかし、米軍とは給水ルートが別なので「海上自衛隊だけの問題で」となり、大きな問題はなさそうなので一安心しました。
先ほど現場に出かけた部下から連絡があり、科内の蛇口や建屋の配管ルートから水漏れはしていないこと、また断水しているのは電話が来た〇〇科のみであるとのことでした。結論として、枝管から漏水しているとしか考えられません。
この〇〇科は桟橋沿いに建っており、目の前は桟橋とビーチしかありません。地盤は当然のことながら砂です。
漏水場所を自力で特定しろ!
私も現場に行き、部下と図面を見ながら漏水箇所の範囲を推定しました。枝管とはいえ、最低でも建屋に引き込むまで7~8mはあり、一部はアスファルト舗装です。経理に給水管の臨時補修のために外注工事を出したいと調整をすると、「漏水場所を特定しピンポイントで補修すること」と言われてしまいました。
大きなお世話だ、と思いながらも部隊に重機がないことを説明して、業者に掘削して漏水箇所を特定し、補修することで発注してはどうか?と問うと、
「アスファルトの箇所に業者が入ることは認めますが、砂の部分は自力で掘って漏水箇所がないかどうか確認してからにしてください」
との塩対応。漏水していれば砂の部分は見ればわかるよなぁ、と思いながら部下と夏の暑い盛りを剣スコで掘っていきました。
案の定、砂の箇所は見当たらず、結局業者を呼んでアスファルトを剥がすことに・・・。その後はスムーズに補修も進み、次の日からは〇〇科も無事、水が使用できるようになりました。穴の開いた給水管は、海岸の砂まじりの塩と老朽化で痛々しい姿をしていました。