建設特定技能のメリット、デメリット
次に、特定技能のメリットとデメリットを3つずつご説明します。
【メリット1:作業内容の汎用性が高い】
特定技能の作業内容は、技能実習の作業内容と比較して汎用性が高いです。特定技能の作業内容は、国土交通省HPに記載されていますのでご確認ください。
【メリット2:日本語レベルが最低N4以上】
外国籍の方々が特定技能を取得する方法は2つあります。
- 技能実習2号終了後、特定技能1号へ移行
- 技能検定・日本語能力試験を合格し、特定技能1号を取得
※日本語能力試験で求められるのは日本語レベルN4以上
国外からの特定技能希望の外国籍の方々や国内の留学生などは、特定技能の取得条件として最低N4(日本語能力試験)以上の日本語レベルが求められます。
※N4とは、基本的な日本語を理解することができるレベル。
- 読む:基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。
- 聞く:日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。
【メリット3:専任技術者になることが可能】
一般建設業における専任技術者になる条件として、下記3つの内のどれか1つをクリアしなければなりません。
- 建設業種に応じた国家資格を持っている
- 許可を受けようとする建設業種の実務経験が10年以上ある
- 許可を受けようとする建設業種で定められた学歴+3年以上又は5年以上の実務経験
技能実習から移行し、特定技能2号まで業務を継続した場合は、上記の「2.許可を受けようとする建設業種の実務経験が10年以上ある」に当てはまります。技能実習2号から特定技能1号へ移行した場合は、特定技能2号で2年継続が必要です。
特定技能2号の方が専任技術者になることで、企業側は下記の2つのメリットがあります。
- 建設業許可の取得と維持が可能
※専任技術者がいなくなった場合、許可の維持は不可 - 新しく営業所・支店を出店することが可能
【デメリット1:給料が日本人と同等以上】
特定技能は技能実習と比較して、給料水準が高く設定されます。特定技能も「日本人と同等以上」の給与が求められます。特定技能の方のキャリア年数と、同等のキャリア年数の日本人の方の給与を照らし合わせ、給与設定をします。
受入れ負担金・登録支援機関委託費用など、日本人の雇用にはかからない費用が加算されるため、実質日本人よりコストがかかります。
【デメリット2:転職可能】
特定技能は転職可能です。経験者の採用が可能になりますが、その企業と個人の意向が合わなかった場合は、転職可能になります。自社内で技能実習から移行し、技能実習の期間中に自社を愛してもらう教育やレクリエーションを行うなど、転職の可能性を減少させる工夫が必要です。
【デメリット3:技能実習より採用が難しい】
特定技能の方の募集ルートは大きく分けて4つあります。
- 技能実習から特定技能への移行
- 留学生が技能試験と日本語能力試験を合格し、特定技能へ移行
- 現在海外にいる試験合格者、元技能実習生を集客する
- 現在日本にいる試験合格者、元技能実習生を集客する
理想は、「1.技能実習から特定技能への移行」です。なぜなら、採用が必要なく、技能実習の期間で企業側と技能実習生が良い関係構築ができていれば、転職防止にもつながるからです。
また、即戦力を求める企業様に対しては、3と4のルートが現実的です。
3に関しては、募集の際、技能実習を終えた元技能実習生が再度日本に入国したいと思うことが前提になります。そして、募集をかけることからスタートするので、どの位の期間に何名集まるかなどは不明確になります。
4に関しては、日本で技能実習が修了するタイミングが技能実習生によって異なる為、募集するタイミングの難しさはあります。
そして、建設業界のみ特定技能1号を受入れる企業側が毎月負担しなければならない「受入負担金」というものがあります。技能実習から特定技能1号への移行が最も安価になります。
1号特定技能外国人の区分 | 1人あたり受入負担金の月額 |
試験合格者 (JACが指定する海外教育訓練を受けた場合) |
2万 (参考:年額24万円) |
試験合格者 (JACが指定する海外教育訓練を受けない場合) |
1万5千円 (参考:年額18万円) |
試験免除者(技能実習2号修了者等) | 1万2千5百円 (参考:年額15万円) |
※引用:建設技能人材機構(JAC) 会費等の金額について