建設現場で就労可能な在留資格
技能実習・特定技能以外に、建設業界では就労可能な在留資格が6つあります。外国籍の方を直接雇用する際は、在留カードの確認が必須です。
- 永住者
- 定住者
- 特定活動
- 技術・人文・国際業務
※技術者(CADオペレーター、外国特有の建設様式を日本で建設する際の現場監督等) - 留学生
※勤務時間=週28時間上限 - 家族滞在
※勤務時間=週28時間上限
【3つの確認ポイント】
- 在留カードの有無
在留カードは原則として、常備していなければいけません。 - 偽造の在留カードではないか
近年、偽造在留カードの流出が問題になっています。最近では、偽造在留カードのチェックアプリもリリースされています。
- 在留カード表面の就労制限の有無
在留カード表面に就労不可の記載がある場合は、就労できません。
建設業界で上記の技能実習・特定技能を含めた、上記の在留資格保持者が近年増加傾向にあります。2011年から7倍以上(1.3万人→9.3万人)に増加しています。
外国人雇用の注意点
外国人雇用が増加していくと、同時に注意すべき点が増えていきます。その点を整理していきます。
【注意点1:雇用してはいけない外国籍の方を雇用すること】
本来、雇用してはいけない外国籍の方を雇用することは「不法就労助長罪」に当てはまります。不法就労助長罪は、事業主へ3年以下の懲役又は300万以下の罰金等の処罰が課せられます。
外国籍の方々が不法就労になる3つのケースが下記です。
- 不法滞在者や非退去強制者が働くケース=本来日本に在留できない方を働かせてしまうこと
例)・別企業で失踪した元技能実習生
・在留期限が切れた方 - 入国管理局から許可なしで働くケース
例)・資格外活動許可を持ってない留学生
・難民認定申請中の方 - 入国管理局から認められた範囲を超えて働くケース
例)・週28時間以上就労する留学生・家族滞在の方
不法就労者を取り締まる為、建設業界では、国土交通省が2024年までに全技能者に建設キャリアアップシステムの導入を促す動きがあります。
【注意点2:技能実習生の失踪】
技能実習生の増加に比例して、失踪件数も年々増加傾向にあります。その失踪の大きな要因になるのは、送り出し機関・受入れ企業・監理団体が適切でないことが挙げられます。
- 送り出し機関の問題
送り出し機関によってはブローカーが介在している機関も存在します。適切な送り出し機関かどうかを判断するためには、外国人技能実習機「外国政府認定送り出し機関一覧」をご確認ください。 - 受入れ企業の労働環境
受入れ企業での労働環境も失踪の大きな原因の1つです。教育、賃金、言語、差別の問題等が存在します。この問題に関しては、第3回の記事で深堀します。 - 監理団体としての適切な監査・指導
技能実習1号では、毎月監理団体が監査・指導を行います。そこで技能実習が計画通り行われているか否か、技能実習生との面談(特定技能を目指させる為の教育可能)等が行われます。
このような監査・指導を行っていない状況で、毎月多額の監理費を受入れ企業から徴収している監理団体も存在します。2020年に法改正もあり、今一度適切な監理団体を見直すこと、監理団体を比較することを検討してみてはいかがでしょうか。