ブラウザ操作なので、どこでも操作可能
2つ目が作業環境のシンプルさ。ブラウザのみで解析処理ができる。対応するブラウザはGoogle ChromeまたはFirefox。ハイスペックなPCなどのワークステーションを構築する必要がないため、一般的なネット環境さえあれば、自宅や外出先などどこでも操作可能だ。ファイルフォーマットは、PTX、PLY、E57、BIN、TXT、XYZ、LAS、LAZに対応する。
気になるのは処理速度だが、「処理に必要な時間は、インターネット回線の速度に大きく左右されるが、ざっくり言えば、YouTubeが視聴できる環境があれば、データ量が1~5GBなら30分程度で処理できる。今のところ、最大50GBまで対応しているが、50GBでも、6~12時間で処理は完了する」と話す。
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自動でフィルタリング、ノイズ除去
そして3つ目が、わかりやすいユーザーインターフェース。わかりやすさの基準は人によって異なるが、Xクラウドには、画面に表示された指示に従うだけで、解析処理を行える。3D点群データをアップロードする場合、まずプロジェクト名、日時などを打ち込む。次に建物や樹木の分類設定、ノイズ除去などの設定を行ったら、アップロードする。基本的にこの4つのステップのみだ。
アップロードしたデータは、ブラウザ上で、自動で樹木などのフィルタリングが可能。断面図などの表示はもちろん、ノイズ除去、メッシュや等高線の生成などもできる。建物や樹木などの分類設定では、地面だけを自動抽出する機能が実装されている。「地表面や樹木などを自動で分類できるのも強みの一つだ」と言う。
「3D点群データ処理で一番時間がかかるのが、ノイズなどのゴミとり。この労力をできる限りなくすのが、このソフトウェア開発で最も重視したポイントの一つだ。弊社としては、日中に現場で3D点群データを取得して、夕方にクラウド上にデータを突っ込めば、翌朝にはゴミとりなどの処理が終わっているという作業モデルを目指している」と言う。
ブラウザ上で操作するためには、数十GBはザラな点群データを圧縮する必要がある。これについて「今回開発した圧縮技術は、Xクラウドを支える主要技術の一つだ。点群を減らさず圧縮するにため、様々な工夫をこらしている」と明かす。