「デジタル朝礼」や「デジタルKY」で現場を効率化
――今回の協業で、どのような現場を目指していく?
中島さん 建設現場の大きな課題である、週休2日制や4週8閉所を実現していくためには、建設業界全体で生産性を20%高めていく必要があります。この課題に対して、人と人とをコミュニケーションでつなぐ当社としては、人を中心とした生産性向上に寄与していくつもりです。
建設現場にはたくさんの人が集まり、一つの集合体を築いています。人が集まるところでのコミュニケーションエラーやロスなどをなくし、必要な情報がタイムリーに伝わる現場の構築を目的としています。
――具体的には?
中島さん 朝礼の状況を拝見すると、たくさんの人が集まっているため、後方にいる作業員には朝礼の声が聞こえず、前の方は見えていなかった状況がありました。にもかかわらず、全員集まって朝礼を行うことが効率的なのか、疑問に感じたんです。
色々な方に「朝礼はなんのために行っているのですか?」とヒアリングすると、皆さんから「安全に対する注意事項をしっかりと伝えること」と回答が返ってきました。それなら、本質である”注意事項の伝達”ができれば、やり方を変えることができると考えたため、今回「デジタル朝礼」を提案しました。
スマートフォンや、デジタルサイネージによる動画で注意事項を伝達できるため、朝礼の時間と場所の制約を取り払うことができました。作業開始前の準備時間が減りましたし、朝礼終了から持ち場に移動するまで時間もなくなりました。
対面でのコミュニケーションの減少にもつながりますが、月曜日の週1度だけ従来通り全体朝礼を行うことも考えられます。一つの手法のみで運用するのではなく、現場に則した運用をしていく観点は持っておかなければなりません。
――デジタル朝礼は、大きな現場のほうが効果が高い?
仲田さん そうですね。人が増えれば増えるほど、ネットワークも同様に増えていきます。一定程度集まった場所でのコミュニケーションは対面では難しく、デジタルのサポートが必要になります。
そのため、デジタル朝礼は人が多く集まる建築現場、とくに複数の業者が同時に入場する仕上げ・後工程では、より効果が高いという検証結果が出ています。
――デジタル朝礼以外には、どのような取組みを。
中島さん 新たなKY活動の構築を進めています。たとえば、過去の事故事例を活用し、より事故再発防止に効果が高いKY活動を目指していきます。
また、タスク管理やTodoリストをより具体化したいと考えています。現場監督には、朝の時間帯にも多くの電話が掛かってきます。そこで、スマートフォンで仕事の依頼から完了の報告までできるようになれば、作業に抜けや漏れがなくなります。
とくに若手の技術者には、依頼が集中する傾向があります。そこで、誰がどういうタスクをお願いされているかを主任、班長クラスがスマートフォンで確認できれば、「これ少し重要だから先にやったほうがいい」「仕事を抱えすぎだから、ほかの人に手伝ってもらったほうがいい」と、上長が仕事の分散や整理もできるようになります。
5Gは建設現場をどう変えるか?
――これから5Gの世界が到来しますが。
仲田さん これから、現場でさまざまなデジタルデータが行き交うことになるでしょう。5Gによって、音声だけではなく、動画やBIMのデータもスマートグラスで見られるようになり、生産性も上がっていきます。
土木の世界では、建設機械の進化が生産性向上に大きく寄与しましたが、建築の世界では、人がメインです。ですが、人に関するデジタル情報はまだ不足しています。たとえば、作業員の歩掛りも標準コストで計算されていますが、歩掛りも科学的に見える化をしていかないと、その現場を最適化していくのは難しいと考えています。
そこで今、人間行動モデルの領域にも挑戦しています。建築という一品生産の中でプロセスの一元化は難しいですが、専門工事業者の観点から見た場合、たとえば鉄筋組立工は、鉄筋を組む行動には反復性があると考えます。この仮説に基づいて人間行動モデルを検討しています。いろんなデータから人間の行動モデルを指標化し、それを歩掛りの可視化につなげたいと思います。
ただし、いきなりデジタルであるべき姿を突き詰めてしまうと、現場に抵抗感も生まれてしまいます。なので、まずは現在アナログで実施している部分の本質をしっかりと見極めた上で、デジタル朝礼のようにステップを踏みながら、現場の運用に合わせた支援をしていく必要があると考えています。
――NTTグループは、これからどのように建設業界に関わっていく?
仲田さん NTTグループと建設業界は、より深い関わりになっていくと想定しています。これからは建物を建てたり、道路やインフラを整備していくにもICT化が必須ですから。
今、NTTとしても日比谷再開発等の大きな案件も抱えておりますし、また建設業に限らず、トヨタ自動車とは実験都市「Woven City」(ウーブン・シティ)で協業しています。こうした案件を通じて、スマートシティやスーパーシティの構築を支援できるよう、ICTによる現場の改革をゼネコンさんとともに行いたいと考えています。
そして今回、竹中工務店と取り組んだ内容についてはオープンプラットフォームとし、他社にも利用可能なカタチにしていく予定です。スタートアップ企業や新技術を保有されるベンチャー企業にも、今回の協業の枠組みに参画いただき、ともに進歩を加速させていければと考えておりますので、ぜひお声がけください。
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モニターや端末の設置、電源確保、配線は誰がやるのか、その金はどこから出るのか、みたいなハードの話が抜けがち
俺は現場作業する人間が50人そこら、の現場経験しかないけど、想像しただけで100人以上の人間が一度に朝礼、って意味あるの?って思うね。
すし詰め状態で拡声器越しに話を聞く、ってはぁ?って思う。
もちろん朝礼が無意味って話じゃない。
100人超えたら(行う場所等によって前後はするけど)もう一遍にやるのがおかしいでしょって話。
元請、職長だけの朝礼、各職長を基にした朝礼、とか段階的な形での周知徹底とかやりようはあるはず。
そういった柔軟さが一切ないと、少なくとも今の時期なら
コロナ対策でどうやって全体朝礼を行うのでしょうか?
感染症対策は全体朝礼を、朝礼を行わない、又はリスクをとり、密密で行うのでしょか?
ハードルはたくさんあるかもしれないが、少なくとも段階的な朝礼、にすればハードのコスト、って問題は0になる。
ルール作りだけで済む、ことをやらないのが大手ゼネコン何だろうねー
頭がっちがっちで融通が利かない。(法的な義務が生じる事なら別だけど