現場単体ではなく、本社とも連携
――この現場は大成建設全体として取り組んでいるそうですが。
長尾さん ウチの会社でもこの現場は注目度が高いです。幹部、技術部門をはじめ、会社全体でバックアップしてもらっていると思います。私自身、この現場に来る前は本社の橋梁部門にいました。困ったときは、本社時代の上司などにも相談に乗っていただきました。
地元で調達することになる生コンの配合については、ウチの技術研究所の方に来ていただいて、試験練りしたり、横浜の研究所まで骨材を運んで試験したりもしました。現場単体ではなく、本社と連携しながらいろいろと準備を進めてきたようなところがあります。
ものづくりで大切なのは、経験ではなく、「情熱」
――この現場ではベテランだけでなく、若手社員もバランス良く配置されていますね。
長尾さん ウチの会社では、橋の工事の場合、本社のほうである程度人員配置を決めることが多いのですが、最近は、若い社員がドンドン入社してきています。この点、会社としても、若い技術者への技術の伝承を人材育成の大きなポイントとして掲げているからです。
現場をたたくことだけを考えれば、経験豊富な社員を集め、少数精鋭でやるのが効率的ではありますが、ベテランだけでなく、私のような中堅社員や若手社員をミックスすることで、次の現場にもつながる。うちの現場もそういうことを考慮した人員配置になっていると思います。

長尾さんと草野瑞季さん
――若い社員には女性の草野さんもいますが、一番長い橋脚(PR2、高さ97m)を担当させたのはなぜですか。
長尾さん 草野さんにとって、この現場は入社して初めて現場で、現場に入ってからずっとPR2の現場監督を担当しており、思い入れの強い仕事になっていると思います。ものづくりをする上では、経験がなくても、情熱を持って仕事に取り組むことが大切です。もちろん大きな失敗は許されませんが、許容できる範囲の小さな失敗であれば、それを積み重ねていくことによって、人は成長することができると思います。
そういう思いもあって、PR2はこの現場でいちばん大変な工事ではありますが、あえて草野さんに担当してもらうことになりました。基礎、橋脚、上部工すべてを経験することは、草野さんにとってとても良い経験になると思います。この現場が終わるまでしっかり仕事をしてもらって、次の現場に活かしてもらいたいと思っています。
経験が足りないがゆえに、いろいろと悩むこともあると思いますが、草野さんは非常にエネルギッシュなので、人を引っ張っていく姿は見ていて安心感があります。現場監督としての素養は十分にあると思いますし、実際、これまで無事故無災害できています。もしなにか問題があれば、適宜私や所長がしっかりフォローしていこうと思います。
――担当させるほうもかなり度胸がいると思いますが?
長尾さん 何度も手を出したくなるときがありましたが(笑)、そこをなるべくグッとこらえてきました。ただ、業者さんの手待ちになるといけないので、どうしようもないときは私を含めて、上のほうで対応したこともあります。そこをどう見極めるかがポイントですね。
――草野さんは成長しましたか?
長尾さん そうですね。まだまだ「こうなってほしい」という思いはありますが、しっかり経験を積んで着実に成長していると思います。
――注文をつけるとすると?
長尾さん 性格的にまっしぐらなところがあるので、他人の意見に耳をかさないところがあります。この辺は、いろいろな意見を取り入れながら、柔軟に対応できるようになってほしいですね。
――後で本人に聞いてみます(笑)。
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私もこの現場に携わっていました。橋梁の現場もかなり行きましたがこれほど大きな現場は初めてでした。それだけに開通が楽しみです。
私も生コン納入会社の一員として携わらせて頂きました。大成建設の監督さんたちはもちろんのこと、下請けの業者の方々みんな紳士な対応で、現場の雰囲気の良さがとても伝わってきました。打ち合わせも毎回スムーズに進みましたし、初めての打設方法、難しい配合などで難題ばかりでしたが、大成建設さんからの支援や協力で、大変良い仕事をさせていただきました。感謝に堪えません。地元の人間としても、開通が楽しみでなりません。
施工会社は縁の下の力持ちで、一般的に評価されることが少なく、談合だとか、公共工事の無駄遣いとか負の面ばっかり強調されることが多いのですが、こういった記事で施工会社が評価されるのはとても良いことですね。工事関係者の皆様本当にお疲れ様でした。これで南阿蘇方面へのアクセスがとてもよくなり、地域の皆さんが元気になられるといいですね。他県から応援します。