RC造並みの大空間が木造建築でもつくれる
――大空間により非住宅工事へも幅が広がりますね。
島村さん 『スペーストラス』は、戸建て住宅を中心に大空間を実現したい方向けの商品である一方、住宅以外の店舗や事務所、医療建築、運動空間などの施設建築にも導入できます。
従来の木造建築では、どこかに壁や区切りを挿入しなければ強度を保てないなどの課題がありましたが、『スペーストラス』を縦横に利用すれば、8P×8P=約53m2というRC造並みの大空間が木造建築でも可能です。
環境の変化が激しい今の状況下で、商業建築やオフィスではテナントの入れ代わりも多いと思います。従来の木造建築では店舗が変わっても中間に設置した耐力壁は壊すことができず、空間に制限ができてしまいます。『スペーストラス』を使い最初から大空間の設計を行うことで、環境が変わっても対応することができるので、可変性が求められる商業建築やオフィスビルにも向いているんです。
三菱地所ホームでは、住宅建築だけではなく、店舗やオフィス建築を設計・施工しているので、当社全体として導入していく予定です。
――ウィズコロナ時代では、住宅兼オフィスという要望もあるかと思いますが。
島村さん 多いですね。計画しているお客様からテレワークスペースを設置したいというご要望など、住宅をめぐる環境が一気に変わったことを実感しています。「おうち時間」と呼ばれるような、自宅で自分の時間を楽しみたい方も増えているので、住宅建築も対応していかなければなりません。
『スペーストラス』は大空間を構成できるので様々なライフスタイルに合わせて空間を切り替えることができます。新しい生活様式に沿って、間仕切りの自由度を高めれば、距離を取って2~3人で仕事出来るスペースを作ったり、環境に応じて必要な空間を広げたりすることもできます。
つまり、大きな箱をつくって、自由に組み替えられるスケルトン・インフィルのような自由度の高い住宅空間も実現できるわけです。『スペーストラス』は、大空間を構成すること自体が目的ではなく、さらにその先にある豊かな暮らし方を提案することにあります。
――最後に。『スペーストラス』の今後の展開について教えてください。
島村さん 『スペーストラス』は当社オリジナルの商品ではありますが、建売住宅や工期が短い住宅建築にも活用できると思います。株式会社三菱地所住宅加工センターは当社だけでなく、他社にも材料を販売しているので、同社と連携しつつ、外販を視野に入れていきたいと考えています。
当社は500人単位の会社であり、ほかのハウスメーカーと比較すれば中小企業です。中小企業ならではの技術発信やポテンシャルの高さ、フットワークの軽さなどを武器に、お客様によりよい豊かな空間を提供できる会社でありたいです。
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