1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 共通工学「土積曲線(マスカーブ)」
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策の第26回目は、共通工学「土積曲線(マスカーブ)」です。
土積曲線(マスカーブ)の出題は、ポイントを抑えれば得点を稼ぎやすいので、要点を絞って解説します。
土積曲線(マスカーブ)
土積曲線(マスカーブ)の問題は3~4年に1度出題され、この問題がでればラッキー問題!
ポイントを押さえれば、簡単に解答できます。
実際の現場での土量計算を行うには、細かい補正や計算が必要ですが、この問題を解くポイントはたった3つ!
- マスカーブの折れ線が右上がりであるか右下がりであるか?
- 0になる点とは?
- 最終的に土積曲線でまとめたエリアは土が余るのか足りているのか?
……この3点です!
下図が土積曲線(マスカーブ)と呼ばれている図表です。測点間ごとに「土が発生する(切土)」か「土を必要とする(盛土)」か、を示しています。
No.0~5は測点といい、この場合工事区間が500mとし、1区間100mとします(現場の形状によって測点間隔は異なります)。
測点とは、道路工事などの経験がある方はイメージしやすいと思いますが、測点とは工事の起点をゼロとし、工事終点にむけた中心線上にとり、一定の間隔で設置する管理ポイントです。
では、まず測点No.0~No.1の区間をみてみましょう。
No.0は工事のスタート地点なので土が減ることも増えることもないので土量0から始まります。そこから右上がりでNo.1で5,000立方メートルとなっています。
これはNo.0~No.1で5,000立方メートルの土が発生しているという事になります。土が発生するということは、切土区間となります。この表ではNo.2までが切土区間となります。
逆に、盛土をすると土を使用するので現場としての発生土量はマイナスとなります。No.2~No.4は盛土区間となります。
- 右上がり→土量が増加→切土区間
- 右下がり→土量が減少→盛土区間
2つ目のポイント、0となる地点。No.3でゼロとなっていますが、これはこの地点で盛土量と切土量が均衡している状態です。+になっていれば土が余っており、-となっていれば土が足りない状態になります。
3つ目のポイント、最終的な土が不足しているか、余っているかは、先ほどの説明の通り最終の測点が+か-なのかを確認すればOK。
最終の測点が+なら土が余っていて、-なら土が不足している、ということになります。
1級土木施工管理技士試験の「土積曲線(マスカーブ)」の練習問題
では練習問題です!
上図は、工事起点No.0から工事終点No.5(工事区間延長500 m)の道路改良工事の土積曲線(マスカーブ)を示したものであるが、次の記述のうち、適当なものには○・適当でないものには×を入れよ。
No.0からNo.2は、盛土区間である。 |
→解答×…No.0からNo.2は右上がりなので、土量が増加しているので切土区間である。
当該工事区間では、切土区間よりも盛土区間が長い。 |
→解答×
右上がり(切土区間)→ No.0~No.2+ No.4~No.5の計300m
右下がり(盛土区間)→ No.2~No.4の200mなので切土区間の方が長い。
No.0からNo.3は、切土量と盛土量が均衡する。 |
→解答○…No.3で土量がゼロとなっているため、設問の記述は正しい。
当該工事区間では、土が不足する。 |
→解答○…工事終点No.5の土量は約-3000立方メートルのため、土が約3000立方メートル不足しているということになる。