グリーンサイトとの連携で、作業員の安全管理・健康管理にも
――安全管理についても寄与している?
林さん(大和ハウス工業) ええ。今回の実証実験では、作業員の安全性向上や健康管理に関するデジタル化にも取り組んでいます。作業員や建機、部材などの位置情報をデータベース化することで、建機による巻き込み事故や部材の落下事故などの危険を事前検知することができます。
山崎さん(NEC) NECの顔認証技術を活用した「NEC建設現場顔認証 for グリーンサイト(※)」で、作業員の現場入退場時にタブレットやスマートフォンなどの端末を使って、顔認証による本人確認を行うとともに、GPS位置情報を取得することで「誰が」「いつ」「どこで」という入退場の実績を正確に把握できるようになります。また、作業員の体温や血圧などのバイタルデータと組み合わせ、作業員の健康管理をすることも検討しています。
※「グリーンサイト」は、株式会社MCデータプラスの登録商標で、労務安全衛生に関する管理書類をインターネット上で作成、提出、確認できるサービス。
――ユーザーにとっても、安全・安心が高まる。
林さん(大和ハウス工業) デジタル機器を使い、デジタルエビデンスを残すことによって、お客さまが知りたい情報を正確にタイムリーに伝えることが可能になります。写真、映像、360°カメラ画像などのデジタルデータをもとに、図面データはもちろんのこと、施工履歴のデジタル化など再建築時に活用できるよう建物データの保管についても進めています。
加えて、スマートコントロールセンターは、災害対策本部の役割も担っていきます。例えば、災害による風の影響が予想される場合、現場監督は飛散防止の事前対策に追われますが、現場遠隔カメラで養生ネットが煽られているか等の確認ができるため、大きな災害が発生した場合は東京と大阪の両本社に災害対策室を設置し、お客さまの建物の被災や復旧状況のやりとりが可能になります。台風の進路予測や施工現場の情報などのお客さまの情報を紐づけることで最善の取り組みができるようになっています。全国12拠点に設置しており、被災していない拠点による災害対策対応が可能です。
施工管理のチーム化、デジタルエビデンスとして残すこと、災害時でも持続可能な体制を整えること、建物データの保管をデジタル化でよりお客さまとの信頼度を高めるという4点の価値が、今回のDXで進展することになります。
建設業のDXで目指す未来
――システム全体として、どのような成果が期待されるでしょうか。
林さん(大和ハウス工業) 施工現場の監督者の移動の時間や管理の部分も含めて、まず3割を効率化することを目指します。とはいえ、建設業界ではまだDXを拡げられる部分がありますので、さらなる効果も期待できるでしょう。
笠井さん(NEC) NECとしましては、施工現場のデジタル化に加えて、顔認証や映像分析等の活用による作業員のデータ蓄積・活用を進めていきたいと考えています。作業員一人ひとりの経験や特性などをデジタルに捉えておくことで、別の現場での施工管理にも活用することが可能になります。これによって、大和ハウス工業様が構想されている「施工者の賃金の構造や安全へのマネジメント変容」にも貢献したいと考えています。
――建設現場のDXを阻害している原因は?
林さん(大和ハウス工業) 一棟ごとの施工物件の費用の範囲内でできることは限られますし、企業全体としても設備導入の限界があるのでしょう。ですが、このコロナ禍でDXの加速度は高まった印象です。
――異業種のNECから見た課題は?
笠井さん(NEC) 建設業界は、1つとして同じ現場がありません。さらに、現場は短期流動型で、数カ月から大型現場でも数年で完成します。それをどのようにICTで標準化していくか、あるいはマネジメントしていくかが、製造業であったり、工場や店舗と比較して難しい点になります。
――NECとして、建設業のDXにどのように関与していく?
笠井さん(NEC) 大和ハウス工業様から、「一緒に建設業界を変えよう」と激励の言葉をいただいています。今回の協業で構築したサ―ビスは建設業界全体に展開していくつもりです。どういった点が各社の共通課題であるかを抽出し、今後いっそう役立つ技術やサービスを提供していきます。
――今回の協業によって、現場の働き方改革は進展していくのでしょうか。
林さん(大和ハウス工業) 国土交通省では、就労環境改善のために作業員の4週8休を推進しています。雇用確保の観点からも労働時間の削減と、それに伴う若手の担い手確保・育成は喫緊の課題です。大和ハウス工業が現場のDXに取り組むことで、建設業界全体が活気付けば嬉しいですね。
人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!
「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、
こちらからお気軽にお問い合わせください。
監理者は大手さんだと名ばかりですかね・・・。
このシステムの中には考慮されていないんでしょうか?
摘発受けて人手不足を補う結果この発案。
現場代理人は何処へいった?
現場で、作業してる方々はどうなの?
いやお前さんのところもともと現場こないじゃん