AIロボで現場事務をサポート
――AIロボットとは?
佐藤氏 建設現場では、事務作業が現場監督の負担を増加させているという課題があります。そこで、AIコミュニケーションロボット「unibo(ユニボ)」を活用した実証実験を進めています。
具体的には、ユニボの音声機能を活用し、若手社員向けには音声タスク管理による手戻り作業の防止、ベテラン社員向けには音声メール機能による効率化を図り、より安全で効率的に働くことのできる労働環境の実現を目指しています。
同実験は、2019年10月より実施している大東建託の経営資源とスタートアップ企業の新しいアイデアや斬新なノウハウの双方を活用して、新たなビジネスやサービスの共創を目指すことを目的とした『大東建託アクセラレーター2019』の取り組みの一つとして、ユニボの開発元であるユニロボット株式会社と進めているもので、第1回目が2020年8月21日から同年11月末日で、名古屋工事部、福岡工事部、刈谷工事部で、第2回目は、2020年12月1日から2021年2月末で、岐阜工事部、春日部工事部、八王子工事部でそれぞれ実施しました。
――具体的に、「ユニボ」はどのようなことを教えてくれるのでしょうか。
佐藤氏 例えば、「検査の手配が漏れていませんか?」「事前に発注しなければならないことを忘れていませんか?」「検査の項目は終わっていますか?」などをアナウンスしてくれます。タスク管理を補助することで作業の漏れを防ぐことが可能です。
――ゼネコンの現場監督は夜遅くまで事務作業をやっているイメージがあります。
佐藤氏 大東建託の現場監督はほかのゼネコンと異なり、1人の担当者がいくつもの現場を受け持つ巡回管理方式です。ゼネコンでは職人が帰ってから事務作業をされることが多いですが、大東建託ではノートPCやタブレット端末を使い、どこでも事務作業ができるように事務所を数多く設置し、ハブの拠点として作業できる環境を整えています。もちろん、現場でも作業が可能です。17時から事務作業を開始するのではなく、定時(9時~17時30分)の中で効率的にフレキシブルに働いてもらうような環境にあります。
――働き方改革についての今後の方向性は。
佐藤氏 建設業界に時間外労働時間の上限規制が適用されるのは2024年4月1日以降ですが、それに先んじてアパート建築現場における労務環境の新たなスタンダードを目指していきます。今回の建築現場のDXは、その一環と言えます。
今、大東建託協力会には1万3,000社が参加し、現場も常に2,000~3,000か所が全国で稼働しているため、今回の取り組みも大きな影響があると思っています。
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