仕事はあるのに高齢化で技術継承が進まない
――今のプラントメンテナンス業界についてどう見ていますか?
柳井氏 当社の課題=業界の課題だと考えています。石油プラント工事業界の歴史をさかのぼると、50年ほど前に建設ラッシュがありました。当社の社長も今は70歳ですが、若い頃は現場に駆り出されて仕事をしていた時代です。それから50年が経って、回転機の整備ができる職人が一気に引退したので、後継者が本当にいないんです。これは単なる就業者減少の問題だけではなく、技術が継承されていかないことになります。
当社の場合、たまたま私が後継者となったので、技術・事業継承は比較的うまく進みました。ですが、当社のようなケースはこの業界ではまれです。ですから、仕事がないから廃業するのではなく、後継者が不在で高齢で仕事を続けられなくなってから、廃業を決断したケースもとても多いんです。
また、現場では65歳を超えると高所作業は禁じられていますし、70歳になると現場入場はいくら身体的に健康でも止められます。この業界は高齢者が中心であるにもかかわらず、高齢者を制限するのでますます人手不足になっています。
――人材の担い手確保・育成がポイントですね。
柳井氏 本社は大分なので、全国に出張するのですが、「出張が嫌」だと長続きしない人がいることも実情です。そこで2年前から現地で採用しています。現在の出張先は千葉県市原市と三重県四日市市なので、若者を中心にこの地域で採用し、定着してくれています。
――今、これからどういう方と一緒に働きたいと思いますか?
柳井氏 この業界はロマンがあります。そのロマンを大切にしてくれる人と一緒に働きたい。目を輝かせてくれる人、汗水たらして回転機を動かしてそれに感動できる人がいいですね。今、協力会社も含めてそういう方は徐々に増えてきています。仕事を楽しくなれば生きるのも楽しくなりますからね。
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