2020年度の「土木学会全国大会 in 中部」もオンラインで実施されたが、今年もコロナ禍でもあり、同様の形式となった。昨年はウェブでの参加が3万3,000人。「土木学会員だけではなく、一般の市民の皆様にも土木を理解していただくために、なるべく多くの方が視聴いただけるようにしっかりとPRしたい」(若林実行委員長)
「オンライン形式でもメリットがある。通常、遠方で参加しにくいことも、オンラインであれば入りやすい」(杉山幹事長)

幹事長をつとめる東海大学の杉山太宏工学部土木工学科教授
また、今年の全国大会で大きなテーマは『ビッグ・ピクチャー』だ。
「今、コロナ禍で閉塞感が漂っている。しかし土木やインフラの重要性が失われることなく、現場でもハード・ソフトの業務を進めている。こうした中で将来的にどういったものを目指すのかについて具体的に提示することが必要であり、それがビッグ・ピクチャーにつながる」(若林実行委員)
「この大会のテーマをどうするかという点について谷口会長にご相談を申し上げた時に、まず一言目に”ビッグ・ピクチャー”と仰られた。趣旨としては、国、まちの将来像に基づくインフラ計画では、効率的な整備保全を行うことが肝要だ。その内容を市民に事前にオープンにして、みんなで考えていくことが重要であることを谷口会長は発信している。
それはイメージだけではなく予算面、投資額も加えて一緒に議論することについても言及されているので、その点がビッグ・ピクチャーに込められた思いだろう。大きい仕事をする上では、まずはビッグ・ピクチャーから始めていくことが重要であると認識している」(杉山幹事長)
ビッグ・ピクチャーの思想は日本全体へと
ビッグ・ピクチャーは土木学会に限らず、日本全体で今後、重要な役割を持ってくるのではないだろうか。個別の詳細な議論から始めるのではなく、まずは全体的な俯瞰図の構成がありきだ。さらに、ビッグ・ピクチャーは個別の学会や行政に留まることなく、国のあり方全体へと拡大していくことになろう。

関東地方整備局内で開催された全国大会に関する記者会見
「”流域治水”プロジェクトや”防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策”は、我々国土交通省としてもあらゆる機会を通じてしっかりとお示しすることで、市民の皆様がインフラの重要性についてご認識いただけると思う。
特にこれだけ毎年、災害に襲われている中、市民も漠然とした不安をお持ちではないか。我々としては、ビッグ・ピクチャーの思想、具体的な国の施策や成果も含めて、将来像を明確にしていくことで、建設業者も将来を見渡せる経営計画が可能になる。
ビッグ・ピクチャーの思想については本大会一回、限りではなく、さらに進化させるために国土交通省としても継続的に取り組んでいきたい」(若林実行委員)
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