施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

「インフラDX人材」の育成へ。関東地方整備局が「関東DX・i-Construction人材育成センター」を設立

  • インタビュー
長井 雄一朗
公開日:2022.02.09
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 コメント
  • メールで共有
「関東DX・i-Construction人材育成センター」内の現場実証フィールドでは、ICT建機を活用した無人化施工も実習できる

「関東DX・i-Construction人材育成センター」内の現場実証フィールドでは、ICT建機を活用した無人化施工も実習できる

目次
  1. 発注者・受注者双方のインフラ分野のDX推進へ
  2. インフラDX人材の育成はこれからが本番
  3. ICT活用工事により作業時間は3~4割の縮減
  4. 「簡易ICT活用工事」で、中小建設会社にもICT施工を浸透させる
  5. インフラDXを一般の方々へ広める

発注者・受注者双方のインフラ分野のDX推進へ

2021年は国がデジタル庁を設置するなど、コロナ禍を機にビジネスや業務を革新するDX(デジタルトランスフォーメーション)があらゆる局面で進んでいる。

国土交通省は2016年から、建設現場にICTを活用し、生産性向上を目指す取り組みである「i-Construction」を推進しており、2025年までに建設現場の生産性を2割向上することを目標に据え、省人化や作業効率化に注力している。土工から始まったICT活用工事も、舗装工、浚渫工、地盤改良工と徐々に拡大。さらに、2021年度は構造物工、路盤工、海上地盤改良工へと拡大を見せている。

そこで重要なことは、インフラ分野のDXを担う人材の育成だ。国土交通省関東地方整備局は、千葉県・松戸市の関東技術事務所構内に「関東DX・i-Construction人材育成センター」を設置、地方自治体を含む発注機関や建設会社の技術者を対象に、インフラ分野のDX推進を担う人材育成に本腰を入れている。

国土交通省関東地方整備局関東技術事務所の杉山純副所長に人材育成センターの動向や今後の展開について話を伺った。

インフラDX人材の育成はこれからが本番

「関東DX・i-Construction人材育成センター」の研修室でインタビューに応じた国土交通省関東地方整備局関東技術事務所の杉山純副所長

「関東DX・i-Construction人材育成センター」の研修室でインタビューに応じた国土交通省関東地方整備局関東技術事務所の杉山純副所長

――「関東DX・i-Construction人材育成センター」では、どのようなことを行っているのですか?

杉山純氏(以下、杉山副所長) この「関東DX・i-Construction人材育成センター」は、インフラDXやi-Constructionの推進を担う人材を育成するため、2021年4月に設置しました。

ここでは、地方自治体等を含む発注者や民間技術者をターゲットとして、BIM/CIMに関する座学の研修のほか、3D-CADやVR、MRを活用した実習、レーザースキャナーやトータルステーションを用いたICT測量実習、ICT建機を用いた無人化施工の実習など、実務的な研修も行います。

具体的に説明しますと、BIM/CIM研修の入門編ではBIM/CIMを活用する意義や国土交通省での取組み状況などの講義を行い、実践編ではBIM/CIMを活用するスキルを持った技術系職員の育成を目的として、3D-CADなどのソフトウエア操作演習を主体とした実習を行います。

i-Construction研修では、地方自治体を含む発注機関の職員を対象に、ICT活用工事の工事監督を通じて受注者への適切な指導ができる技術者育成を目的として、ICT施工技術の概要、監督・検査のポイントについて講義や、ICT活用工事に必要なICT測量機器を用いた起工測量、3次元設計データの作成、出来形計測データから出来型帳票(ヒートマップ)作成までの実習を行います。

その他にも、民間技術者も対象とした、ICTアドバイザーによる「ICT施工WEBセミナー」を開催しています。

国土交通省として一番重要だと考えているのは、建設生産プロセス全体で3Dデータを活用しイノベーションを起こすことです。現状ではDXへ取り組む人材やICTを使いこなせる人材が不足しているため、発注者、民間技術者それぞれに必要な研修を実施していきます。

「関東DX・i-Construction人材育成センター」研修室

「関東DX・i-Construction人材育成センター」研修室

――受講者は、どのような方が多いのでしょうか?

杉山副所長 2021年度の6月、9月と11月に地方自治体等の発注者及び民間技術者を対象に開催した「ICT施工Webセミナー」では、建設業が38%、コンサルタントが25%、測量12%、製造・販売・レンタルが8%、公務員・団体が15%でした。また、役職別では、管理職以上の層の方が38%と強い関心を持っておられます。

ICT施工Webセミナーのアンケート結果

ICT施工Webセミナーのアンケート結果

講師には、ICT施工を手掛けられている技術者として、関東地方整備局のICTアドバイザーに行って頂きました。このICTアドバイザー制度とは、関東地方におけるICT施工の普及促進を目的として、建設会社や発注者が持つ疑問点や課題などについて、経験者からアドバイスをしていただける方々であり2020年度より活動して頂いております。

今回のICT施工WebセミナーやICTアドバイザーへの技術相談が中小建設会社のICT施工へ取り組むきっかけとなればと思います。

次のページICT活用工事により作業時間は3~4割の縮減
12»
  • この記事をシェアする27
  • この記事をツイートする9
この記事のコメントを見る0
こちらも合わせてどうぞ!
“舗装業界の老舗” NIPPOのICT開発リーダーに聞いてみた。「ICTで舗装工事はどう変わるのか?」
“舗装業界の老舗” NIPPOのICT開発リーダーに聞いてみた。「ICTで舗装工事はどう変わるのか?」
業界老舗が誇る最新のICT舗装技術とは? 株式会社NIPPO(東京都中央区)は、舗装・土木、アスファルト合材の製造販売などを主な生業とする会社だ。1934年に設立された日本鋪道株式会社をルーツに持つ舗装業界の老舗として、...
「カネをかけず、ラクして稼ぎたい」 山口土木・松尾さんがICTに情熱を注ぐ理由
「カネをかけず、ラクして稼ぎたい」 山口土木・松尾さんがICTに情熱を注ぐ理由
独自スタイルでICT化を進め、売上が2倍に 株式会社山口土木(山田健一社長)は、従業員40名ほどの岡崎市にある地域建設会社だ。10年ほど前から、「カネをかけず、ラクする」ため、独自のスタイルでICT化を推進。作業効率が向...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...

この記事を書いた人

長井 雄一朗
この著者の他の記事を見る
建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
「インフラDX人材」の育成へ。関東地方整備局が「関東DX・i-Construction人材育成センター」を設立 「インフラDX人材」の育成へ。関東地方整備局が「関東DX・i-Construction人材育成センター」を設立

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • 「インフラDX人材」の育成へ。関東地方整備局が「関東DX・i-Construction人材育成センター」を設立

コメント(0)

コメントフォームへ

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様